感染力は強いが、肺に到達しにくいオミクロン株は重症化率が低いとされている。だが実際にワクチン接種効果がどの程度なのか気になる。米国CDCは、12歳以上に、mRNAワクチン接種完了後5ヵ月以上経過してからのブースター接種を推奨しているが、オミクロン株に対するブースター接種の効果については、2月18日号に発表した。
デルタ株優位とオミクロン株優位の2つの期間に、2回目または3回目のワクチン接種を受けた18歳以上の米国人について、救急受診および入院に対するワクチン効果を検討した。対象は2021年8月26日から2022年1月22日までの救急受診者24万1204人と、入院患者9万3408人である。救急受診者のうち、18万5652人(77%)がデルタ株優位期間、5万5552人(23%)がオミクロン株優位期間だ。
ワクチン未接種者は46%、2回接種者は44%、3回接種者は10%。デルタ株優位期間では、ワクチン効果は、2回目接種後よりも3回目接種後のほうが高かった。3回目接種後のワクチン効果は2ヵ月で97%だが、4ヵ月で89%に減少した。オミクロン株優位期間では、3回目接種後のワクチン効果は2ヵ月で87%だったが、4ヵ月で66%、5ヵ月以上で31%に低下。入院に対するワクチン効果は、3回目接種後2ヵ月で91%、4ヵ月で78%に減少した。2、3回目接種の両方で、オミクロン株優位期間のほうがデルタ株優位期間よりもワクチン効果が低かった。両期間とも3回目接種後のワクチン効果は2回目よりも高かった。
日本では4月13日、厚生労働省がオミクロン株の重症化率・致死率について発表した。対象は2022年1月1日から2月28日の間のCOVID–19感染者11万9109人。その結果、60代から重症化率と致死率が上昇。とくにワクチン未接種者は40代からも上昇し、70代で致死率2%もあった。そこで感染防御策とワクチン接種が重要だとした。