うらやすの人(54) 豊洲市場の仲卸会社「山治」社長 山﨑康弘さん(50)

あいさつは商売の基本 おいしい魚でお客を笑顔に

 「おはようございます」東京都中央卸売市場豊洲市場(東京都江東区)で生鮮魚介類などを仕入れ販売する仲卸会社「山治(やまはる)」社長、山﨑康弘さんが大切にするのが朝のあいさつだ。

 「あいさつは商売の基本です。あいさつから人の出会いが始まる。あいさつ日本一の企業を目指しています」と明るく笑う。

 山﨑さんは浦安出身。江戸時代から続く旧家だ。「享保年間、(第8代将軍)徳川吉宗の時代から、浦安で暮らしている。私は18代目です」

 明治大学卒業後、商社に就職した。20代で、家業を継ごうと決心。父親の治雄さんが戦後、築地市場で創業した仲卸の仕事を始めた。

 「築地の勢いに圧倒されました。悔しい思いもしました。負けたくない。早く、魚のことを覚えなければ。必死でした」と振り返る。

 山治は半世紀にわたって築地市場で営業を続け、平成30年、豊洲市場で新しくスタートした。鯛、ヒラメ、ウニ、貝など多くの水産物を取り扱う。首都圏や海外などに販路を開拓。豊洲市場最大級の仲卸会社に発展した。

 「東日本大震災などいろんなことが起きました。何度も浮き沈みがありましたが、社員とお得意さんのおかげです」 社員は約100人。若者が多い。地元・浦安、明海大学の体育会系学生も入社し、元気に働いている。

 午前1時から、仕事が始まる。長年培った経験を活かして入荷した水産物を丹念に下見する。午前5時から、競りが始まる。さあ、勝負だ。見定めた逸品を競り落とす。店に運び、販売する。多くの買出人が訪れる。ホテル、スーパー、名店のシェフや板前らが仕入れに来る。

 「お客さんの要望に応えるのがわたしたちの使命です。裏切らない。全社一丸となって取り組んでいます」

 仕事が一段落するのは夕方。帰宅して午後7~8時には就寝するという。多忙な日々だが、元気いっぱい。威勢がいい。

 今春、新型コロナウイルスが襲いかかってきた。売り上げが激減した。打開策として考え出したのが「豊洲山治オンライン魚河岸」だ。海外担当者らが部署の壁を越えて参加。会社がワンチームになった。サービス体制や商品ラインナップなどを再編成し、6月中旬から本格稼働する。

 「鮮度を考えて、首都圏限定で始めました。応援してくれる人が多い。注文はすごいですよ。浦安の人もいっぱい買ってくれる。喜びのメールも届きます。大変なときに応援していただき、ありがたい。落ち着いたら恩返ししたいです」

 学生時代は水球部。信条は「一生懸命」。好物はサンマ、枝豆、そしてビール。

 「漁師町、浦安で育ち、魚河岸で仕事をしている。お客さんが『うまい!』と言って笑顔になるために。まっすぐにおいしい魚を届けます」

広告画像

関連記事

  1. 日本の玄関口・浦安IC 建設業協力会が一斉清掃 日本の玄関口・浦安IC 建設業協力会が一斉清掃
  2. “猫トラ” 始動 師走の街を走る 清五郎運送 “猫トラ” 始動 師走の街を走る 清五郎運送
  3. うらやすの人(18): 「Uスタイル」の仕掛け人、増山徳子さん うらやすの人(18): 「Uスタイル」の仕掛け人、増山徳子さん
  4. 商工会議所が役員改選 新会頭に熊川賢司氏を選出 商工会議所が役員改選 新会頭に熊川賢司氏を選出
  5. 市の公益のために寄付した人・団体表彰 小中学校に新聞届ける 浦安新聞組合を評価 市の公益のために寄付した人・団体表彰 小中学校に新聞届ける 浦安…
  6. 弁護士 京介 「家庭の法学」 弁護士 京介 「家庭の法学」(30) 離婚届不受理申出書
  7. うらやすの人(50) 浦安市カヌー協会会長 三浦 寛 さん(79) うらやすの人(50) 浦安市カヌー協会会長 三浦 寛 さん(79…
  8. 富士屋商事社長 志田 健司 日本国の未来は(11) 内田浦安市長へ 市民の命お守り下さい 富…

新着記事

  1. 境川かわまちづくり計画登録証伝達式 水辺に親しむ環境整備
  2. 10月22、23日 千葉県最大級飲食イベント 浦安バル街開催
  3. パリ・パラリンピック2024 車いすラグビー日本代表、 金メダル! おめでとう、池崎大輔選手
  4. GKのナイスセーブが光る攻防戦に ヴェルスパ大分と対戦し引き分け ブリオベッカ浦安
  5. 子どもたちがスポーツを体験し、レベルアップをめざす浦安スポーツチャレンジ 11月3日明海大学浦安キャンパスで開催

毎日新聞浦安南部・北部専売所
浦安ふじみクリニック
さくら保育園
有限会社メディケアネット PETCARE
田中屋海苔店

江戸前佃煮 株式会社西金
どこに生まれても、生まれてきて良かったと思える社会へ! JAFS関東

PAGE TOP