医療・健康

Dr.竜の「診察ノー卜」第98話:運動によるがん抑制効果 旭川医大の研究でも確認

 昨年4月、うらやす情報で1日5分程度の高強度の運動により「がんのリスクが31%下がる」というオーストラリアの研究結果を報告した。

竜 崇正
竜 崇正(りゅう・むねまさ) 浦安ふじみクリニック院長 =浦安市富士見2- 18-9=

 日本でも、その1年前から旭川医大病理研究室の「運動によるがん抑制物質の解明に関する研究」がスタートしていた。クラウドファンデイングによって研究費を調達しており、筆者もこれに協力していた。

 クラウドファンデイングによって目標額に達したことで、研究が更に大幅に進み、その成果の一部が発表された。主任研究者の田中医師によると、運動によって筋肉内から分泌される「がん抑制物質」を同定することができたという。この「がん抑制物質」が抽出されて薬品となるレベルまではまだ時間がかかりそうであるが、運動をすることによって、「がん抑制」にも効果があるのであれば、高齢化を迎えている日本にとってはこの上ない朗報である。

 田中医師によれば筋肉には、持続はしないが素早い動きをする「速筋」と、持続力がありゆっくり動いて姿勢の維持などをする「遅筋」があって、両者の筋肉が混合して我々の体を形成しているという。加齢によって筋肉が瘦せるのは「速筋」が減少してしまうからだが、年齢を重ねても運動をしていれば「遅筋」は維持される。そしてこの「遅筋」から「がん抑制物質」が分泌されているとの結果報告である。

 すなわち、運動は「がん抑制、予防」だけでなく、美容にも健康増進にも有効である。高齢になって運動能力が落ちても、日常生活を維持するため1日5分のじっとり汗かく運動を継続することは、「がん予防」にも「美容」にも「健康維持」にも有効のようなので、皆で運動を持続し、周囲の人達にも運動を勧めていきましょう。

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