剣道の県高校新人大会に6制覇 通算10回目の優勝という快挙を達成
昨年末、剣道の県高校新人大会に6制覇した東海大浦安中高剣道部(部員数65人)は、通算10回目の優勝という快挙を成し遂げた。監督である同校教諭の榊悌宏さん(55)が、その原動力である。
榊さんは徳島県鳴門市生まれ。徳島県は野球が盛んで、少年時代からスポーツ少年団に入り甲子園を目指す人が多く、多くのプロ野球選手を輩出している。榊さんも小学校時代に勧誘されたが断り、友人と見学に行った剣道に魅力を感じ、鳴門市剣道少年クラブに入門。熱心に稽古に励み、中学時代には四国総体で、団体で優勝した。
さらなるレベルアップを求めて、親元を離れて東海大相模高に進学。全国高校総体出場を果たした。東海大学体育学部武道学科に進学、4年生で関東学生選手権優勝、全日本学生剣道選手権ベスト8の戦績を残し、卒業と同時に東海大浦安高に赴任して33年になる。
東海大浦安高に剣道部はあったが、部員数も少なく、全国や関東大会に出場できるレベルでなかった。恩師から「お前が行って、日本一にしてこい!」の一声で、赴任が決まった。
厳しい稽古に弱音を吐く選手もいたが、平成7年には全国選抜大会で念願の初優勝。その後、23年に、中等部に剣道部を創部。3年後には全国中学総体ベスト8、27年には全国選抜大会で準優勝するなど、中高共に全国強豪校に成長した。
榊さんは平成25年、剣道界最高段位である八段に6度目の挑戦で合格。合格率は実に0・7%の狭き門で、教え子に模範を示した。現在は千葉県や浦安市剣道連盟主催の講習会で講師を務めるなど、地域の剣道普及発展にも尽力している。
家族も全員剣道の経験があり、奥さんはかつて関東実業団大会で優勝、長男は同校出身で東海大大学院体育学研究科を修了後、東海大相模中高教員で剣道部を指導する五段。長女は剣道を中断したが、次女は東海大高輪台高で女子剣道部主将を務める5人家族である。