「女子は世界で勝てないを」覆す!!
仲間のため体を張るのがラグビーの魅力
「痛みを伴うからこそ、仲間のために体を張りたい」―。まもなく開幕するリオデジャネイロ五輪7人制女子ラグビー日本代表(サクラセブンズ)に6月29日選ばれた冨田さん(24)。
欧州遠征直後、練習の合間をぬって訪れた6月2日の浦安市役所表敬訪問。そこでの “決意表明” が冒頭のフレーズだ。そして言葉を継いだ。「女子は(世界で)勝てないという見方を覆したい。強豪の南アフリカを破った男子に続きたい」
岡山県真庭市出身で、幼稚園から浦安市舞浜暮らし。ラグビーとの出合いは跡見学園中学時代。「1年に12センチも伸びる成長痛で膝の骨が出てしまう」ため通院していた接骨医から「これからラグビー、来るよ」と “予言” され、バスケットボールから3年のとき、転向した。
クラブチームの「世田谷レディース」で「自分を犠牲にボールをつなぐ」ラグビーにのめりこんでいった。
関西学院大で主将だった父親、隆示さん(58)は、スクラムを組むなど練習相手になってくれたが、母には(ラグビーでのケガを心配して)止められたという。
年間260日の合宿で真っ黒に日焼けした顔で「あごが二つに割れて1カ月半、ご飯がダメで7キロやせました。しゃべれないストレスもたまった」と屈託がない。
跡見学園高校1年のとき、ラグビーの先進地・豪州に留学。高校時代から15人制(センター)と7人制女子日本代表に招集。7人制ではプロップを務め、早稲田大1年から日本代表。
直近の欧州遠征では世界12チーム(1チームは未定)で最下位に終わったが、7月末に決まる五輪メンバーには「ケガがなければ行けそう」と自信をみせる。
五輪での戦術ではこう語る。「世界の選手は大きいが、フィジカルを鍛え、走り続けるフィットネスで相手を疲れさせ、パニックを起こさせる奇襲プレーで、男子に続き女子は勝てないという見方を覆したい」。
所属しているフジテレビ人事部で採用・研修を担当。会社の応援でラグビー優先だが「国家斉唱で日本代表を実感して、活躍を日本、浦安市民の皆さんに届けたい」と誓っている。
新庁舎が完成したばかりの松崎秀樹市長は「冨田さんの大活躍を電光掲示板で市民に伝えたい。ケガに気をつけて子供に勇気を与えてください」とエールを送った。