こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回のテーマは「子なし夫婦の離婚」です。ひと昔前とは異なり、最近では結婚しても子供を持たない夫婦も増えています。未成年の子どもがいない夫婦が離婚するとなった場合、子どものいる夫婦とはどのような違いがあるのでしょうか。
子なし離婚のメリットは、離婚時に争う項目が少なく、比較的スムーズに離婚が成立する傾向にあるということです。
子どもがいる夫婦が離婚する際には、親権者、養育費、面会交流など子どもに関する項目を決める必要があり、子どもに関する項目で争いになることが極めて多いといえます。また、離婚後も元配偶者から養育費を払ってもらったり、面会交流を行ったりと元配偶者との関係を切ることは困難です。
子なし離婚の場合、離婚時の取り決めにもよりますが、多くのケースで元配偶者と完全に関係を切ることができます。これにより、元配偶者との関係が続くことで抱えるストレスから開放されます。また、離婚後に再就職や再婚などをすることが比較的容易で、再出発しやすいのも子なし離婚のメリットでしょう。
離婚を決意したときには、経済的に自立する準備をする必要があります。離婚後には、基本的にはご自身の収入だけで生活していかなくてはなりません。離婚後の家は借りるのか、実家に戻るのかなど、具体的に離婚後の生活をシミュレーションし、どの程度収入が必要になるかなど把握しておくとよいでしょう。
できる限り離婚条件や離婚後の生活をしっかり考えて準備を進めていくことが理想的ですので、離婚を検討されている方は、専門家に相談されることをお勧めします。