防犯・安全・法律

弁護士 京介 「家庭の法学」(32) 婚約破棄の慰謝料

 こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回のテーマは、「婚約破棄の慰謝料請求」です。
 せっかく婚約したのに、突然相手から結婚をやめると言われてしまった場合、精神的なダメージが大きいうえに、式場のキャンセル料等が発生することも考えられます。そのような場合、そもそも慰謝料請求は可能なのか、また、可能である場合、慰謝料請求の相場はどれくらいなのでしょうか。

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矢野京介

 まず、第一に婚約をしていた事実がなければ、婚約破棄とは言えません。婚約していた事実として認められるためには(1)婚約指輪を貰った (2)新居を契約した (3)結婚式場の予約をした (3)職場を寿退社した (3)両家の顔合わせをした―などが挙げられます。その上で、精神的苦痛を被っている場合には、その精神的苦痛に対し、慰謝料請求をしていくことになります。

 そして、話し合いをしてみて、話し合いがまとまらない場合には、裁判で請求をすることになります。裁判で慰謝料請求する場合には時効があり、婚約破棄された日から3年以内となっているので注意が必要です。婚約破棄の慰謝料の相場は、個々の状況によって異なりますが、これまでの裁判例をみると30万円から200万円の間で認められているものが多いようです。
 慰謝料の額は、精神的な損害が大きいほど大きくなりますので (1)妊娠あるいは出産している (2)婚約を機に仕事を退職した (3)破棄の理由が不貞や暴力である―等の場合には慰謝料の金額も大きくなる傾向にあるようです。

 以上のように、婚約破棄は慰謝料請求ができる可能性もありますので、婚約破棄されたという場合には、一度専門家に相談されることをお勧めします。

葛西臨海ドリーム法律事務所

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