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弁護士 京介 「家庭の法学」(66) うつ病の配偶者との離婚

 こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回は、「うつ病の配偶者との離婚」についてお話いたします。 結婚するときには「病める時も健やかなるときも…」と互いに誓い合った夫婦でも、いざ配偶者がうつ病になり、収入が絶たれてしまったり、子どもの精神面や生活そのものに影響が出るようになると、「離婚」を考えるようになるのも当然のことだと思います。

矢野京介
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 法律的にも「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。(民法第752条)」とされており、結婚した二人は、困窮に襲われたとき、手を取り合ってその壁を乗り越えていけるよう、精一杯努力しなければなりません。

 うつ病についても同様です。「離婚」となったとき、双方が同意していればできますが、相手が離婚に応じてくれず、調停や裁判となった場合、そう簡単には離婚は認められません。うつ病の状態が重度で、軽快する可能性が乏しい場合は、裁判上の離婚事由「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき(民法770条4)」に該当すると思われます。

 しかし、裁判所がこれを理由に離婚を認めることは消極的です。離婚が認められるには、「うつ病にかかった配偶者を精一杯支えてきたが、それでもどうにもならなかった」という事実を証明することが重要です。また、「離婚後に配偶者が経済的困窮に陥らないかどうか」も離婚を認める重要なポイントになります。

 ストレスの多い現代病ともいわれるうつ病や不安障害などの精神疾患を抱える患者数は年々増加しています。うつ病の配偶者との離婚でお悩みの人は一人で悩まず、一度専門家に相談されることをお勧めいたします。

葛西臨海ドリーム法律事務所

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