木村 繁さんは、5月10日号の1面の記事 “スクワット ファクトリー” でも指導するストレングス&コンディショニングコーチ(個人・チームの身体能力を向上させるために各種トレーニング指導を行う専門家)だ。
取材で訪れた際、同施設の大塩オーナーが「海外の文献の翻訳も手掛け、最新の知識と技術に加え、相手に言語化して伝えるスキルも持ち合わせている。彼がここで指導している事で、彼を慕う優秀なメンバーが集まってくれる」と絶賛だった。
「小学生からソフトボールや野球に熱中し、大学まで続けたが、学年が上がるほど “自分では全くかなわない選手が沢山いる” ということを思い知らされ、逆にこういう人達をサポートするような仕事につけたら楽しいのではないかと考えるようになった」そうだ。
大学入学に際し、自分のなりたい職業につながるのではと、千葉大学教育学部スポーツ科学課程へと進学する。
「在学中、スポーツや健康に関する基礎科学的な知識を身につける事はできたものの、現場での実践・応用的な学びは独自で行わなければならない事に気づき、トレーニング指導の国際的ライセンスを取得しました」
とはいえ、すぐに生活を成り立たせるほどの仕事もなく、関係分野の団体に勤務しながら徐々にトレーニング指導の仕事を増やしていったそう。
「経験を積む中で、アスリートに対するサポートの内容は、個人の能力に合わせてアレンジすることで、様々な対象(例えば健康の維持増進を目的にする方や、身体に何等かの不具合を抱えつつも運動によって改善可能な方など)にも貢献できる事を知り、指導の幅が大きく広がりました。幸いにして現在は指導歴15年を超え完全なフリーランスとして活動できています」
関東圏内や静岡県のアスリートチーム、また浦安市内にて個人の方を対象にトレーニング指導を行っている。
「指導で最も大切にしている事は、安全で効率的にトレーニングを実施するために “なぜその方法・内容なのか” を常に意識して計画する事。そして答えは常にお客様の身体にあるため、よく観察し、コミュニケーションをとり最適化を図っています。また、お客様にも “なぜ” を知って欲しいと考え、できるだけわかりやすく説明し、納得してもらった上でトレーニングを実践して頂くよう心がけています」
充実感を覚えるのは「定期的に行う測定により、チームや個人のお客様の身体能力が向上した事がわかった時、また日常での変化(動作が楽になった、痛みを感じなくなった)を実感したとお話しを頂く時に、専門家として貢献出来てよかったとやりがいを感じる瞬間です」とも。
「私一人が貢献できる範囲は限られるが、今後も浦安市内でトレーニング上級者、健康エリートを増やしていきたい」と最後に夢を語ってくれた。