新型コロナウイルスは4月1日現在、世界中で82万人以上の感染者がおり、日本国内では2382人が感染、57人の死者が報告されている。いまだに都市部を中心に増加傾向が続き、油断できない状況だ。
流行当初からの疑問は、濃厚接触者の追跡調査で、ほとんど感染者が出ていないことだ。中国でも濃厚接触者のうち数%に過ぎず、アメリカでも10人の確定患者との接触者445人のうち発症者はわずか0.45%だった。このことから、世界的感染の拡大には、症状のない一見健康な感染者が関係している可能性が高いと思われる。中国4万4672人のデータで、20歳未満の感染者が少ない。これは無症状か軽症で診断に至っていないと推測されている。若年者が感染を広げている可能性が高い。
東京の感染者は1日100人に迫る勢いで、40歳以下が6割を占めるようになった。しかも、積極的にPCR検査を行っていないので、一見健康な人の何%が感染して、他人に感染させるスプレッダーになっているかのデータはない。しかし、誰もがスプレッダーになっている可能性があると考えて行動すべきだ。
感染は飛沫感染や接触感染が主体なので (1)マスクをして咳で他人に感染させない (2)自分の鼻や口を触らない (3)手洗いやうがいを励行する―などの予防法が大事だ。咳などで飛散したウイルスは重力で下に落ちるので、屋外は安全だ。しかし、壁や窓、多くの人が触る部位ではウイルスが付着している可能性があり、石鹸やアルコールなどでの手洗いの励行が重要だ。
感染リスクは (1)換気の悪い密閉空間 (2)手の届くところに大勢の人がいる (3)近距離での会話や発声― とされるので、そのような場所は避けるべきだ。マスクはウイルスが通過するので、予防効果はないが、他人を感染させないために重要だ。重症化は高齢者、基礎疾患(糖尿病など)が知られており、治療を受けることが重要だ。
(文責 竜崇正)