新しいパワーに期待 ― 浦安市は元気な60歳以上の人が介護の担い手になる「市サブスタッフ養成事業」を開始。応募で選ばれた人を対象に研修、終了した人は今春からデイサービスで活動を始める。市のこのような試みは初めて。このスタッフ、介護現場に “新風を吹き込む” か。
同市でも年々、高齢化の波が押し寄せ、介護施設での人材不足が心配されている。昨年3月にまとめた第7期の「市介護保険事業計画策定に伴う基礎調査報告書」によると、介護施設などで、円滑な事業を行うための「人材確保が困難」との回答が77.8%に達した。
この現状打開策にと打ち出したのが、今度の事業。60歳以上の人に、市内のデイサービスでサブスタッフとして活動してもらう=写真。市が「60歳以上の力が必要です」と市広報で呼びかけたのは初めてで、73人が応募した。研修に残ったのは、50歳台から70歳台まで男6人、女20人の合計26人で、この人たちは、介護予防の講義、デイサービスの実習などの研修を、市内の4事業所で受けている。介護未経験者でも活動できるようになる研修内容。
カリキュラムは (1)デイサービス利用者の生活目標を共有 (2)要介護の原因と対策 (3)認知機能の低下を防ぐには―など。
研修は11月から今年3月まで、講義と実習各16回を予定。研修終了者は、市内のデイサービスに配置、4月からボランティアでサブスタッフとして活動を始める。利用者と会話を交わしたり、一緒に身体を動かしたり…。この養成事業、介護従事者の人材確保の “試金石” になると期待されている。
市では、スタッフの待遇は「事業所と調整して決めたい」という。