COVID-19感染は世界中で、感染力の強いオミクロン株に変わってきている。オミクロン株は11月15日、南アフリカで初めて報告されたが、12月23日現在、世界98か国に広がっている。
イギリスでは、12月30日時点でオミクロン株感染者は21万2000人、入院患者は981人、死亡は75人だった。そして、1月4日には、1日の感染者数が20万人を超え、過去最多を更新した。フランスでも、1日の感染者数が27万人と過去最多を更新。アメリカでも、1月3日の感染者数が108万人と、過去最多となった。日本では1月30日の感染者が85,042人となり、東京はじめ多くの県で、「蔓延防止等重点処置」が適用されている。
多くの国では南アフリカからの入国を禁止しているが、イスラエル、モロッコ、日本の3か国のみ、外国人の入国を禁止している。市中感染が蔓延する中、鎖国政策は意味があるのか疑問だ。
世界保健機構(WHO)は、オミクロン株は鼻や喉といった上気道の炎症を引き起こしやすいが、肺まで達して重症化するリスクは低いという見解を示した。日本でも感染者が多い割には軽症が多く、1月30日時点での死者は43人である。オミクロン感染が死因だったかは明らかでないが、重症化率は確かに低くなったようである。
死亡率の高いデルタ株を対象に開発された種々の治療薬は、オミクロン株には無効なようで、やはり予防が大切だ。ワクチンの予防効果はオミクロン株でも確認されている。2回目接種後14日以上経過した人は、ワクチン未接種の人に比べて入院率が65%低く、3回目追加接種後14日以上の人では81%低くなっている。
オミクロンは50カ所以上の変異があり、これだけ変異があっても感染を広げているのは脅威である。だが、ウイルスの存在そのものを規定する遺伝子が変異して自滅の道に進む可能性も考えられる。それまで感染防御を徹底しよう。