順天堂大学附属浦安病院(吉田幸洋院長)は4月30日、隣接するマンション住民を対象に増改築計画の説明会を院内の会議室で開いた。来院患者の増員、地域の基幹病院として一層の機能充実を図るため、地上9階、地下1階建ての3号館を新築する計画。この開院は平成29年8月を予定している。
説明会は順大浦安病院と工事を設計・施工する清水建設の合同で、病院に隣接するマンション・京成サンコーポ浦安の居住者を対象に行い、約30人が出席した。
計画の説明会は今回が3回目。昨年6月に行われる予定だったが、建設予定地の土壌からヒ素が発見され、その対応で開催が遅れた。
清水建設によると、ヒ素が含まれる土壌は専門業者が処理するので工事に支障はなく、来院者、近隣住民にも影響はないという。
3号館の開院は、当初の28年7月から1年余遅れる。延べ床面積は1万9390m2。これによってベッド数は132床増え、同病院の病床数は785床になる。3号館は免震構造で、災害時には地域住民が避難できる機能を持つ。
同館と合わせて3階建ての立体駐車場を建設する。駐車収容台数も現在の279台から355台に増える。
敷地内には地域住民が憩える公開緑地帯を設置することなども計画されている。
3号館建設で、医療体制の充実も図られる。高度医療を展開するため放射線部門の拡充、子供救急医療の充実、外来診療室の増設・拡充で、診察待ち時間の改善を図る― など。
5月に入ってから、3号館建設のため、一部建物の解体工事などが始まった。
説明会では、住民側から工事車両の増加、騒音、振動などで周辺環境の悪化が心配されないかなどの質問が出された。
これに対し、順大病院、清水建設側は①工事車両の出入口には車両誘導員を配置し、歩行者優先の適正誘導を行う②騒音、振動のある大型車両は法定速度厳守、安全運転で住環境に配慮する― と回答した。
順大病院、清水建設の両者はこれからも意見、要望があれば「目安箱」を設けるので、活用して欲しいと呼びかけた。