昨年7月、経済の再生を目的としてGoTo事業が開始された。1人が何人に感染させるかを示す有効再生算数が、6月は0・3程度だが、7月になって1を超えており、感染が広がっている中でのGoTo開始だった。開始した7月22日の全国の感染者数は792人で死者総数は989人。県を越えて移動はしないように、との分科会の提言下での開始だった。
9月1日の新規感染者数は624人、死者は1296人。GoTo開始から307人が亡くなっている中、菅首相は「GoTo事業を556万人が利用した」と経済効果を強調した。その後も感染者は増加し続け、11月20日の感染者は2301人、総死者数は1962人で、開始4か月で1000人亡くなった。
このため、GoTo事業を停止すべきとの意見が強まったが、菅首相は継続。1か月後の12月20日の死者は1000人増えて2899人となった。有効再生算数は2を越え、ようやくGoTo事業が停止された。
年末年始の20日間で1000人も亡くなった結果、国は首都圏と関西圏に夜8時以後の飲食店の時短営業要請を主体とする緊急事態を宣言した。しかし、宣言後も死者の急増は止まらず、2週間の緊急事態延長を決めた3月7日の感染者は1054人、総感染者は43万8956人、総死者数は8176人に達した。
3月21日に緊急事態は解除されたが、この日の感染者は1480人で、まだ増加している中での解除だった。特に12 月から2月までの3か月間の死者は6000人超となった。繁華街は若者で溢れ、変異型ウイルスの市中感染蔓延で死者が増えることが危惧される。
3月31日時点での死者数は9113人でアジアで1位。中国の死者数4636人のほぼ倍だ。感染者が死亡する致死率は1・9でアメリカの1・8より高い。オーストラリア、ニュージーランド、台湾では封じ込めに成功している。今こそ科学的見地から感染防御政策を推進すべき時だ。予防のため、国民はワクチンを打とう!