医療・健康

Dr.竜の「診察ノー卜」第70話:COVID-19に対する新しい治療薬「抗体カクテル療法」が承認に


 今年7月、軽症~中等症用の治療薬「抗体カクテル療法」が新たに承認された。これまで新型コロナの治療薬は、中等症以上の患者に対するものばかりが特例承認を受けてきた。軽症の患者も辛い症状が出るのだが、世界的に死者を減らす観点からの治療薬が優先的に開発されてきた。

竜 崇正(りゅう・むねまさ) 浦安ふじみクリニック院長 =浦安市富士見 2-18-9=

 今まで承認されていた治療薬は、ウイルスが増えるのを抑えるレムデシビル(商品名:ベクルリー)、ウイルスによる炎症を抑えるデキサメタゾン、バリシチニブ(商品名:オルミエント)、の3つ。

 デキサメサゾンは標準的なステロイド薬として日常的に用いられており、CОVID-19では合併する肺炎やサイトカインストームなどの治療目的に使われる。オルミエントは強力な関節リューマチ治療薬としても承認されている。

 今回承認された「抗体カクテル療法」は、アメリカのリジェネロン社が創製したウイルスの働きを抑える薬だ。カシリピマブとイムデピマブという2種類の抗体を組み合わせて、点滴治療するもので、軽症の患者の重症化を防ぐ目的で使用される。アメリカのトランプ前大統領も使用した。

 海外の論文では、入院や死亡のリスクを約70%減らすと報告されている。2020年12月に、中外製薬が日本での開発権と今後の独占的販売権を取得した。日本での7月承認後も、入院患者に限って使用されていたが、感染しても入院できない現状から、8月13日からはホテルなどの療養施設での使用が認められるようになった。

 しかし、治療を受けられないまま、自宅で亡くなる人も多い。必要な患者に必要なだけ使用できるように、そして自宅でも抗体カクテル療法ができるようにすることを、政府に期待したい。

 この抗体カクテル療法に依存せずとも、自身の中に抗体を作ることができる方法が、現在積極的に国が推進しているワクチン接種だ。全国民がワクチンを打って「集団免疫」を獲得し、更に発症した人に早期に「抗体カクテル療法」するのが命を守る一番の近道だ。

広告画像

関連記事

  1. Dr.竜の診察ノート Dr.竜の「診察ノー卜」第49話: 電子タバコ、加熱式タバコの健…
  2. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第73話: COVID-19 感染に朗報…
  3. Dr.竜の診察ノート Dr.竜の「診察ノー卜」第75話: オミクロン株の特徴について
  4. 大規模災害救急医療協定を締結 浦安市と順天堂大学病院 大規模災害救急医療協定を締結 浦安市と順天堂大学病院
  5. おはよう体操で心身をリフレッシュ 週4回、市運動公園で開催 おはよう体操で心身をリフレッシュ 週4回、市運動公園で開催
  6. 本紙記者 塩塚 保 のワクチン接種体験記 順調に完了! 本紙記者 塩塚 保 のワクチン接種体験記 順調に完了!
  7. 浦安市が「障がい者等自宅療養緊急支援」を開始 浦安市が「障がい者等自宅療養緊急支援」を開始
  8. Dr.竜の診察ノート Dr.竜の「診察ノー卜」第50話: ペットと肺がん

新着記事

  1. 境川かわまちづくり計画登録証伝達式 水辺に親しむ環境整備
  2. 10月22、23日 千葉県最大級飲食イベント 浦安バル街開催
  3. パリ・パラリンピック2024 車いすラグビー日本代表、 金メダル! おめでとう、池崎大輔選手
  4. GKのナイスセーブが光る攻防戦に ヴェルスパ大分と対戦し引き分け ブリオベッカ浦安
  5. 子どもたちがスポーツを体験し、レベルアップをめざす浦安スポーツチャレンジ 11月3日明海大学浦安キャンパスで開催

毎日新聞浦安南部・北部専売所
浦安ふじみクリニック
さくら保育園
有限会社メディケアネット PETCARE
田中屋海苔店

江戸前佃煮 株式会社西金
どこに生まれても、生まれてきて良かったと思える社会へ! JAFS関東

PAGE TOP