難治性かゆみの克服の研究拠点
順天堂大大学院医学研究科環境医学研究所(高森建二所長)は8月、「順天堂かゆみ研究センター(JIRC)」を開設したが、9月12日に報道関係者に披露された。
この「順天堂かゆみ研究センター」は、国内初の難治性かゆみの克服を目指す研究拠点で、アジア初でもある。
これまで、「かゆみは痛みの弱い感覚」であると認識されてきたが、患者は夜も眠れないほどの苦痛に苛まれ、生活の質(QOL)が著しく低下していることが明らかになってきた。世界的にも注目されていて、欧米の大学を中心に「かゆみ研究センター」が次々に設立されている。
同研究センターは2002年から、文部科学省の大型支援を受けて、従来の治療法では治らない「難治性かゆみ」発症のメカニズムの解明と予防、治療法の開発について研究を重ねており、その研究成果は、国内外で高く評価されている。
高森所長は「これからも基礎医学者と臨床医学者が一体となって、患者のQOLの向上と社会経済損失の回復に向けた方策を提言していく」と同研究にかける強い決意を表明した。