こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回は、「内縁関係の解消でも財産分与はできるのか」についてお話しいたします。
そもそも内縁関係とは、婚姻届けは出していないものの、男女それぞれに結婚の意思があり、実際に法律上の夫婦と変わらない形態で暮らしている男女のことを言います。
内縁の解消は、いわゆる離婚とは違い、法的手続きは必要ありません。
しかし、内縁解消に伴う財産分与については、法律上、基本的に離婚に準じて扱われ、話し合いがうまくいかない場合は調停や裁判の申立をすることもできます。
また、内縁の配偶者に不貞行為があった場合には、慰謝料請求をすることもできます。
ただ、内縁関係がある場合でも、婚姻関係に準じた取扱いがされるため、内縁関係の証明が必要になるケースがあります。
内縁関係を証明するためには、まず、相手と同一の住所地の住民票であることが重要です。住民票上の住所が同一であれば基本的に同居しているということになるので、内縁関係が認められやすいでしょう。
また、生計を共にしている資料、例えば、相手の預貯金通帳の記載内容などから二人の生活費が同じところから出ていたことが明らかになれば、内縁関係を証明しやすいです。
さらに、生命保険の受取人が内縁の配偶者になっている場合も証明されやすいでしょう。
内縁関係だからという理由で慰謝料請求や内縁解消の際の財産分与を諦める必要はありません。相手に不貞行為があり慰謝料請求をしたいという方や、相手が財産分与等に応じてくれない場合には、一度専門家に相談されることをお勧めいたします。