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弁護士 京介 「家庭の法学」(90) 音信不通の配偶者との離婚

 こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回のテーマは、「音信不通の配偶者との離婚」です。

矢野京介
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 離婚を考えている方のなかには、配偶者が突然家を出て行ってしまったなどの理由から、離婚の話し合いをすることができないとお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。離婚をするためには配偶者本人との話し合いが必要ですので、配偶者と音信不通で連絡が取れない場合、状況に応じて適切な手段を講じ、離婚の話し合いを進めなければなりません。

 まず、配偶者の行方は分かっているけれど音信不通で連絡が取れない場合、協議離婚を進めることは難しいでしょう。ですから、このようなケースでは、離婚調停の申立を行い、離婚調停成立を目指します。

 次に、配偶者の行方が全く分からず連絡が取れないという場合、まずは配偶者の所在を明らかにしなければ離婚の手続きを進めていくことができません。別居にあたって住民票を移している場合には住民票や附票を取得することで相手の住所を把握することが出来ます。相手の住所が明らかになった場合には離婚調停の手続きを進めますが、調査しても相手の居住地が明らかにならないということもあります。その場合、最初から離婚裁判を起こし、離婚成立を目指します。本来、離婚は調停前置主義がとられており、離婚調停の手続きを踏んでいなければ裁判を起こすことは出来ません。しかし、相手の所在が分からない場合、初めから離婚裁判を起こすことが例外的に認められています。また、裁判では公示送達という方法を取ることによって、相手の所在が分からなくても手続きを進めることができます。ただし、たとえ音信不通の配偶者が裁判に出席しなくても、ご自身が離婚のときにどのような条件を望むのか、そしてそれを裏付ける証拠の提示が必要となりますので、離婚条件の整理と証拠の収集はしっかりと行っておきましょう。音信不通の相手と離婚をしたいけれども何をどうしたらよいか分からずお悩みの方は、一度専門家に相談されることをお勧めいたします。

葛西臨海ドリーム法律事務所

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