うらやすの人(41): 樹木医の草分け 有田和實さん(72)

 浦安市内は例年より1週間以上も桜(ソメイヨシノ)の開花が早かったため、花見の名所は市民でにぎわった。
 今年で28期となる樹木医の草分け(2期)。「樹とともに生きる」がモットーで、ソメイヨシノの桜守と関係者から評されているのが有田さん。
 東日本大震災(3.11)被災から7周年を迎えた「相馬野馬追」で知られている福島県南相馬市(旧原町市)出身。6人きょうだいの3男に生まれ、中学3年まで同市で育った。「父親はダム建設などに携わってきたので、兄弟は建築や土木関係に進んだ」という。

有田和實さん

浦安市役所前の桜をチェックする有田さん

 かつての故郷、「鹿島の一本松」も津波で傷つき、昨年暮れに伐採された。「鎮守の森を守り隊」を結成し、樹木医の立場から“神社の森”の復興にも力を注ぐ。
 東京農大で造園を学び、造園会社に就職。北海道から沖縄まで47都道府県で造園事業に携わってきた。
 浦安には22年前に移住。東京・成城学園での桜並木の調査など、それまでの経験を生かしてNPO法人「樹の生命を守る会」を立ち上げた。浦安市などで桜の街路樹などの樹勢診断・樹勢回復治療を通じて樹木の “健康管理” に務めている。

 そのうえで、樹木医の役目を聞くと「街路樹などの安全管理」を挙げた。「桜でいえば植栽から半世紀がたち、箱状の自動車にぶつけられ腐ったり、枯死して倒れたりして、通行人や通行車両の安全・安心のためにチェックする」としている。 
 30年近い樹木医歴か感じ取ったのは「動物より植物のほうが子孫を残すために必死で、能動的」ということ。
 寸暇を惜しんで樹木医仲間やひとりで、年に3~4回、台湾やベトナム、タイ、マレーシアなどを訪れ、樹木の研究や温暖化防止に取り組んでいる。
    ◇
 樹木医認定制度は平成3年、林野庁の国庫補助事業でスタート。事業主体の財団法人日本緑化センターによる民間資格。造園関係や研究職、コンサルタントなどのOBが多い。
 樹木医は、樹木の診断、治療等に関する業務経験7年以上(樹木医補の資格があれば認定後の業務経歴が1年以上)の者が受験できる第1次審査に合格。2次審査の2週間程度の研修で、筆記試験と、面接に合格する必要がある。(2面参照

広告画像

関連記事

  1. 春爛漫 桜咲く 弁天ふれあいの森公園 春爛漫 桜咲く 弁天ふれあいの森公園
  2. 浦安出身吉田大成選手 東京ヤクルトから8位指名 浦安出身吉田大成選手 東京ヤクルトから8位指名
  3. ドキュメンタリー映画 「知事抹殺」の真実 3/3上映 ウェーブ101 ドキュメンタリー映画 「知事抹殺」の真実 3/3上映 ウェーブ1…
  4. 浦安小さな旅(10) 「舞浜」 浦安小さな旅(10) 「舞浜」
  5. 矢野京介 弁護士 弁護士 京介 「家庭の法学」(35) 離婚後の財産分与
  6. うらやすの人(15): 世界大会を浦安で開きたい うらやすの人(15): 世界大会を浦安で開きたい
  7. うらやすの人(42) 自転車トラック競技日本代表 中村妃智(きさと)さん(25) うらやすの人(42) 自転車トラック競技日本代表 中村妃智(きさ…
  8. 浦安に「春の雪」が舞う 浦安に「春の雪」が舞う

新着記事

  1. 浦安リトルシニアリーグ 日本選手権大会第3位 快挙を市長報告
  2. 浦安バル街 10月21,22日開催 千葉県最大級の食べ歩きイベント
  3. 陸上100mで全国1位 岡嶋莉子選手が市長報告
  4. うらやすの人 在宅医療・山田智子院長「患者の心に寄り添う」
  5. ウクライナから避難してきたイリーナさんが外国法事務弁護士に

有限会社メディケアネット
田中屋海苔店

江戸前佃煮 株式会社西金
希望のハーモニー:瀬田敦子と若き才能が奏でる50年の感謝と未来への祈り ~能登とアジアの子どもたちのために~

PAGE TOP