自分の力を出し切れ
レベルアップで目指せ東京五輪
4年後の東京五輪・パラリンピックで実施競技種目に決まっているテコンドー。
千葉県の強化選手に指定され、出場を目指す石井洋平さん(19)=日体大1年、柳優海さん(16)=県立検見川高1年、寺田怜矢さん(16)=麗澤高1年(いずれも浦安市)が10月9日、浦安市総合体育館で開かれた「浦安スポーツフェア2016」で模範演技などを披露。
会場で体験者に指導をしたり、県テコンドー協会会長・高木伸幸さんを手伝ったりしていた3人のうち、石井さんと柳さんに話
を聞いた。
3人きょうだいの末っ子、石井さんのテコンドーとの出合いは母親が「かっこいい」と始め、きょうだい全員が浦安の道場に通い出したのがきっかけ。174.5センチ、68キロと体格には恵まれていないが、「体格差のある相手にはカウンターねらいで、スピードと左足を蹴り出すタイミングで勝負しています。全国大会で勝たないと強化選手を外されてしまう」と危機感を持ちながら、五輪を最終目標に、ライバルと切磋琢磨してレベルアップを図っている。
いまは船橋の道場で、基本の蹴りをしっかりできるよう試合経験や感覚を磨きながら、週5~6回(1日2~3時間)、3人でがんばっている。「ラーメン、天ぷら、カレーと食べることが楽しみ」。将来のユメは中高の体育教師。「子供たちに指導して、恩返ししたい」という。
一方、柳さんも3人兄弟で長男。両親に連れられて見学に行ったのがきっかけで、3歳からテコンドーを始めた。162センチ、50キロとスリム。
「障害を持つ弟(中3)に元気を与えたい」と、中3の昨年、全日本大会49キロで劇的な優勝を果たした。カウンター重視
で、10―13とビハインドで迎えたラスト3秒。
「相手が気を抜くのを待っていた」瞬間、”必殺” の後ろ蹴りが顔面に決まって4点を奪い、逆転勝ち。「負けず嫌いで、最後まであきらめない」粘り強い性格が頂点につながった。
この日のスポーツフェアには、スポーツクラブ経営の父、和宏さん(40)も体験者指導で汗を流した。「(子供が)強化選手という機会をもらえただけでもありがたい。多くの人にテコンドーを知ってもらい、底辺を拡大したい」。また、母、千代子
さんは「五輪に出てほしい」と期待を込めた。
高木さんは「来年は強化選手も絞り込まれるだろうが、浦安勢も含めて1人でも出てほしい」。さらに言葉を継いで「大切なのは自分の力を出し切ること。(東京五輪に)出られなくても経験を生かしてほしい」とエールを送る。
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テコンドーは8メートル四方のマット製の試合場で、2分×3R、点数制で競う。例えば上段への回転技(回し蹴り)が決まると4点という具合で、12点差でコールド。