医療・健康

Dr.竜の「診察ノー卜」第94話:日本のエーザイが開発した認知症の新しい治療薬「レカネマブ」が認可され、保険収載。脳のMRI検査で早期診断して治療適応が決まる

 「認知症」は、高齢になるとなりやすい病気と認識されているが、若年者にも起こる代謝異常疾患でもある。認知症の一つにアルツハイマー病があり、認知症の6割以上を占めている。

竜 崇正(りゅう・むねまさ) 浦安ふじみクリニック院長 =浦安市富士見 2-18-9=

 アルツハイマー病は、「アミロイドβ」と呼ばれる異常な蛋白質が脳に蓄積して、脳神経細胞を破壊して脳が萎縮し、その結果脳の働きが低下して発症する病気です。

 典型的な症状として初期にもの忘れが目立ち、経過とともに、理解や判断の力が衰えたり、身体的な機能も低下して動きが不自由になったり、不潔になったり、狂暴になったりなど異常行動がみられるようになり、大きな社会問題となっている。

 このアルツハイマー病の原因となる脳に溜まった「アミロイドβ」を取り除く画期的な新薬「レカネマブ」がエーザイによって開発され、令和5年12月20日に保険収載された。MRIや脳脊髄液検査で、アミロイドβが貯留していることが確認された早期の認知症患者が対象である。失われた認知機能を回復させて元に戻す働きはないので、進行した認知症患者は対象とならない。

 進行した認知症は、患者個人の尊厳を失わせるだけでなく、家族の負担も大きいので、この新薬の開発は高齢化社会の中で大きな朗報となっている。しかし、薬価が年298万という高額だが、国の高額療養費制では14万4千円の自己負担となり、住民税非課税世帯は9万6千円の負担となる。

 臨床試験では13%に脳の浮腫、17%に微小出血が見られたので、最初の半年は限られた専門施設からの投薬に限定されている。進行したアルツハイマー認知症予防に、大きな期待がかかる朗報である。

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