医療・健康

Dr.竜の「診察ノー卜」第93話:ポジティブ思考で鬱病は改善するとの科学論文。過去の楽しいことを思い出し、明日の楽しい事を計画しよう

 過去の楽しい記憶、明るい未来の想像など、現在の状態と異なる、明るく楽しい状態を考える「マインドワンダリング」が、鬱病予防効果があるのか、その意義が注目されている。

竜 崇正(りゅう・むねまさ) 浦安ふじみクリニック院長 =浦安市富士見 2-18-9=

 その逆の、常に悲観的にものを考える「ネガテイブ思考」は、うつ病の発症や持続に関係するのではないかと考えられていた。

 オランダ・フローニンゲン大学のMarlijn E.Besten氏らは、認知科学および実験臨床心理学の手法を組み合わせたマインドワンダリングの鬱病予防効果、および反復的なネガティブ思考のうつ病増悪に対する影響を調査した。

 対象は、ネガティブ思考の強い群(以下、ネガテイブ群)42例、弱い群(以下ポジテイブ群)40例だ。それぞれの群に、ネガテイブな事ばかり考える「ストレス誘発試験」と明るく楽しい状態を空想する「ポジテイブ空想試験」を施行した。

 主な結果は以下の通りだ。ストレス誘発試験後は、ネガティブ群ではさらに「鬱状態」が増悪したが、ポジティブ群では増悪しなかった。ポジティブ空想試験後は、ネガテイブ群ではポジティブ思考が増加して「鬱状態」が改善した。ポジティブ群では、ポジティブ空想試験前後で大きな差はなかった。

 この試験の結果から、悲観的にものを考える人は、「鬱病」になりやすく、またさらに「鬱状」が増悪することが明らかになった。それに対して、過去の楽しい出来事を考えたり、明るい未来を想像したりする「明るいポジティブ空想」は、鬱病の発症予防や、鬱状態を改善できることが明らかになった。

 皆で楽しいことを空想し、悲観的に考えるのをやめよう。慎重に考えて行動するのと、悲観的にものを考えるのとは違うことを銘記すべきである

広告画像

関連記事

  1. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第87話:COVID-19感染は収まりつ…
  2. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第89話:喫煙、肥満は老化を早め、好奇心…
  3. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第81話:オミクロン感染はインフルエンザ…
  4. ワクチンの夜間接種 ワクチンの夜間接種
  5. Dr.竜の診察ノート Dr.竜の「診察ノー卜」第57話:新型コロナウィルス感染の予防を…
  6. 浦安市議会が全国初「手洗い条例」を可決 浦安市議会が全国初「手洗い条例」を可決
  7. Dr.竜の診察ノート Dr.竜の「診察ノー卜」第59話: COVID-19 感染者は減…
  8. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第72話: COVID-19ワクチン、3…

新着記事

  1. 心待ちにしていた浦安三社例大祭復活
  2. 三社例大祭 ハイライト
  3. 浦安三社例大祭8年ぶりに開催浦安っ子の心意気示す
  4. 東京ディズニーシー、新エリア「ファンタジースプリングス」開業
  5. ウルフ・アロンさん パリ五輪への意気込みを語る

浦安ふじみクリニック
さくら保育園
市民の新聞 うらやす情報
田中屋海苔店

江戸前佃煮 株式会社西金
どこに生まれても、生まれてきて良かったと思える社会へ! JAFS関東

PAGE TOP