医療・健康

Dr.竜の「診察ノー卜」第77話: COVID-19 を恐れず、がん検診を受けよう、持病の治療をきちんとしよう

 COVID-19の感染蔓延が2年を越え、オミクロン株の変異株出現で、感染者が増えつつある。重症化しないとされるオミクロン株でも、亡くなる方はまだ多い。それはコロナワクチン未接種者や持病の治療放棄者、そして超肥満の方たちである。

竜 崇正(りゅう・むねまさ) 浦安ふじみクリニック院長 =浦安市富士見 2-18-9=

 コロナ感染を恐れて、医療機関を受診せず、必要な治療を受けない方達が多い。当院でも受診控えが3割に達している。日本対がん協会では、がん検診受診率が2020年は前年に比して30・5%、2021年も10%減少したことを報告し、がん検診を受けるよう呼びかけている。がん検診では、無症状の早期がんが多く診断されて、日本のがん死亡率低下に大きく貢献してきたからだ。2021年は更に受診率が低下したと考えられる。

 重症化しにくいとされるオミクロン株蔓延でも、政府は病床確保の観点から、手術の延期や中止を医療機関に要請した。必要ながん手術の抑制は、更にがん死亡率増加につながると危惧される。2019年のがん死亡者は37万6425人だったが、その後は死者が増えると予想される。

 2017年の統計によると、男女合わせて「がん」の死亡率が最も高いのは「肺がん」、2番目は「大腸がん」、3番目が「胃がん」だ。40歳以上の男女の「がん」で、死亡率を比較すると、男性は肺がんに加えて胃、大腸、肝臓などの「消化器がん」が高い。女性は40歳代の比較的若年者は「乳がん」「子宮がん」「卵巣がん」の「婦人科がん」の死亡率が高いが、高齢になると、「肺がん」に加えて胃や大腸などの「消化器がん」が増える。

 がん死亡を避けるためには男性は胃や大腸の内視鏡検査、肺のレントゲン検査、特に喫煙者は肺のCT検査が肝要だ。女性は子宮がん検診、乳がん検診に加え、胃や大腸の内視鏡検査、肺のレントゲン検査が必要だ。胃や大腸がんは早期診断されれば、内視鏡的切除で治癒が可能だ。オミクロン株は変異型で重症化しにくいことは世界で証明されている。今や通常医療を重視する時期に来ている。

広告画像

関連記事

  1. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第62話: 適切な対応によりCOVID-…
  2. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第73話: COVID-19 感染に朗報…
  3. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第96話:千葉県一丸で子宮頸がんゼロを目…
  4. 新型コロナの検温でブリオベッカに支援の手 新型コロナの検温でブリオベッカに支援の手
  5. 新型コロナ対策用マスク提供で感謝状 新型コロナ対策用マスク提供で感謝状
  6. 3回目接種の加速に期待 浦安市ワクチン接種センター開設 3回目接種の加速に期待 浦安市ワクチン接種センター開設
  7. 「浦安市 地域医療体制 連絡調整会議」設置 「浦安市 地域医療体制 連絡調整会議」設置
  8. 介護予防・認知症予防フェア 介護予防・認知症予防フェア

新着記事

  1. 第27回 浦安市民まつりを開催 多彩な催しを楽しむ
  2. バルドラール浦安 市長に快挙報告 男子チーム:リーグ初優勝 女子チーム:選手権優勝
  3. 浦安を拠点とする日本ウクライナパートナーシップ協会 戦場から避難してきた人々が感謝の集い
  4. 浦安商工会議所 第66回 通常議員総会開催
  5. Uスタイルギャラリー第1話「浦田純代と共に学んだなかまたち展」

有限会社メディケアネット
田中屋海苔店

江戸前佃煮 株式会社西金
希望のハーモニー:瀬田敦子と若き才能が奏でる50年の感謝と未来への祈り ~能登とアジアの子どもたちのために~

PAGE TOP