こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回は、「円満調停」についてお話しいたします。
当事務所に離婚のご相談に来られる方の多くは「離婚したい。」と言って来られるのですが、中には「離婚したいと言われたが、自分は離婚したくない。」という方もいらっしゃいます。また、別居状態になっていたり、同居はしていても家庭内別居である方などが、もとの円満な夫婦関係を回復させたいという方もいらっしゃいます。そのような場合に、もとの円満な夫婦関係を修復するための話し合いの場として、家庭裁判所の調停手続きを利用することができるのですが、これを「夫婦関係等調整調停(円満)」と言います。
円満調停のメリットとしては、夫婦間の感情的になりがちな話し合いを、裁判所という場所で、調停委員を介して行うことで、お互い冷静になることができるという点です。冷静になることで、自分でも気付かなかった気持ちや反省点等様々な気付きを得ることができると思います。
しかし、調停は、あくまでも話し合いの場であり、裁判と違って拘束力がありませんので、相手が出席を拒んでしまったら、調停は不成立で終了してしまいます。また、この調停が引き金となって、相手方から離婚調停を申し立てられて不成立となり、その後、離婚訴訟を申し立てられてしまうこともありますので、円満調停を申し立てるか否かは慎重になった方が良いでしょう。
裁判所を利用することに抵抗があるという方は、弁護士が間に入って話し合いを行い、「夫婦関係修復合意書」を作成する方法もありますので、夫婦関係についてお悩みの方は、まずは専門家に相談されることをお勧めいたします。