読書離れ歯止めかかるか
スマホ、メールの時代、子ども達の読書離れが進んでいる。この現状から子ども達が本を手にする、本に親しむような読書活動を推進―その拠点となる「浦安市子ども図書館」づくりを検討する「市子ども図書館基本構想策定委員会」(仮称)が4月にスタート、構想実現に動き出した。
市立中央図書館によると、市内図書館での児童書の貸出数は平成22年度の51万8428冊をピークに減少傾向にある。23年度は47万2439冊、24年度49万4228冊と盛り返したが、それ以降は減り続け、27年度は45万1310冊、28年度は44万506冊になった。
中央図書館をはじめ、公民館に併設されている分館では、「えほんのじかん」を設け、子ども達に絵本の読み聞かせを行ったり、日曜日にはお父さんもいっしょにえほんのじかん、子ども向けの映画を上映する「子ども映画会」を開いたりしている。
出生届を出した人には絵本をプレゼントするなど、子ども向けのイベントには力を入れているのに、子どもへの図書貸出数は伸び悩みの状態が続いている。
これからも少子化、スマホの普及など社会情勢の変化で、子どもの成長に大きな影響を与える、読書離れが進む心配がある。市ではこれに対応するため、子ども図書館づくりの検討を始めた。
まだ、そのコンセプト、場所、開館日程などは決まっていないという。30年度は876万円の予算を計上、策定委員会を設置した。
県内には、流山市立大鷹の森こども図書館、柏市立子ども図書館があり、絵本や児童向けの図書貸し出しや子ども向けのイベントを開催。年間1万5千人から2万7千人の利用者がある。松戸市には市立図書館の隣に子ども読書推進センターを設置。子どもを対象に読み聞かせなどを行うボランティア育成研修を実施している。
策定委員会では、国や県の事例を調査。市民対象にアンケート、小中学生の読書活動の現状と課題、子どもに与える社会経済情勢の変化などを調べ、浦安市にふさわしい子ども図書館のあるべき姿を探る。
これらの業務は事業者に委託、市のホームページで事業者を公募した。