文化

うらやすの人(64) 大蓮寺 江口隆定 住職 歴史と伝統引き継ぎ、次世代に継承を 「地域社会に根差していきたい」

 ごーん、ごーん……。浄土宗大蓮寺(浦安市堀江)の鐘の音が響き渡る。

 寺の歴史は古い。天文13(1544)年に創建されたという。

 江口隆定住職は「代々、継承されてきたお寺です。歴史と伝統を引き継ぎ、地域社会に根差していきたい」と語る。

 境内に鐘楼が建つ。午前11時に時の鐘を告げる。

 「浦安はかつて半農半漁の村でした。住民は早朝、暗いうちから海や田畑に出かけ、働いていました」と江口住職はいう。

 住民たちは大蓮寺の鐘の音を聞くと「もうお昼だ。そろそろあがるか」と自宅に戻り、昼食をとったという。

 寺の鐘は戦時中、金属供出で一度、姿を消した。戦後、多くの住民が協力して資金を出し合い、復興された。

 昨年、国連が定めた国際平和デー(9月21日)には、市民らが平和を祈念して「平和の象徴の鐘」を打ち鳴らした。

 大蓮寺山門脇には久助稲荷がまつられており、不思議な話が伝わる。

 江戸時代、大蓮寺で修行した学誉上人は芝・増上寺の大僧正となった。

 ある日、庭先に大蓮寺の使用人だった久助が現れた。学誉上人に「お稲荷様が荒れ果てているので建て直してほしい」と頼むではないか。願いは聞き届けられ、稲荷神社は復興された。

 江口住職は「ところが、久助は20数年前に亡くなっていたのです。現れたのはお稲荷様の化身だったのではないかとささやかれ、名称を久助稲荷と改めたそうです」と話す。

 その久助稲荷は最近、老朽化していたが、令和の建て替え工事が行われ、多くの住民から浄財が寄せられた。今春、りっぱな社殿が建てられた。

 江口住職は幼いころから、寺の跡取りとして育てられた。小学生からお経を覚えたという。大正大学仏教学部を卒業。大蓮寺副住職となる。

 30代で「地域に貢献したい」として浦安青年会議所に入り、活躍。理事長を務めた。

 好物は野菜スープとそば。好きな人物は坂本龍馬。「型破り。信念を貫き、突き進んでいく力強さ」に魅力を感じるという。百田尚樹の作品を愛読。信条は「努力」。

広告画像

関連記事

  1. 東京ディズニーリゾート「美女と野獣」の世界を満喫できる 2DAYSパッケージ宿泊プラン販売中 東京ディズニーリゾート「美女と野獣」の世界を満喫できる 2DAY…
  2. 観光コンベンション協会の総会 観光コンベンション協会の総会
  3. 第16回明海の丘夏まつり 10月15日 明海の丘公園で 第16回明海の丘夏まつり 10月15日 明海の丘公園で
  4. 街頭パフォーマンスライセンス 制度スタート 街頭パフォーマンスライセンス 制度スタート 新浦安駅前広場の「街…
  5. うらやすの人(43) 日本車いすスポーツ協会代表理事 坂口 剛さん うらやすの人(43) 日本車いすスポーツ協会代表理事 坂口 剛さ…
  6. 「市民活動フェスティバル」は3/20(日)まちプラ春の文化祭と合同開催 「市民活動フェスティバル」は3/20(日)まちプラ春の文化祭と合…
  7. 水と緑楽しむ「春まつり」賑う 水と緑楽しむ「春まつり」賑う
  8. 東京ディズニーリゾートアンコール!ザ・モーメンツ展 イクスピアリ 東京ディズニーリゾートアンコール!ザ・モーメンツ展 イクスピアリ…

新着記事

  1. 浦安リトルシニアリーグ 日本選手権大会第3位 快挙を市長報告
  2. 浦安バル街 10月21,22日開催 千葉県最大級の食べ歩きイベント
  3. 陸上100mで全国1位 岡嶋莉子選手が市長報告
  4. うらやすの人 在宅医療・山田智子院長「患者の心に寄り添う」
  5. ウクライナから避難してきたイリーナさんが外国法事務弁護士に

有限会社メディケアネット
田中屋海苔店

江戸前佃煮 株式会社西金
希望のハーモニー:瀬田敦子と若き才能が奏でる50年の感謝と未来への祈り ~能登とアジアの子どもたちのために~

PAGE TOP