医療・健康

Dr.竜の「診察ノー卜」第82話:新型コロナウイルス感染の後遺症について効果的な治療薬はまだない、感染予防が大事

 後遺症の最も多い症状は全身倦怠感、呼吸苦、胸部不快感であり30%から60%の方に見られる。咳や、嗅覚異常、脱毛などが20%程度に見られる。PTSDや記憶障害、鬱、集中力の低下などの精神症状が20%程度の方にみられ、生活の質の低下が長期間続くので厄介な後遺症である。原因として、小血栓、残余ウイルス、自己免疫、組織破壊、等が挙げられる。

竜 崇正(りゅう・むねまさ) 浦安ふじみクリニック院長 =浦安市富士見 2-18-9=

 ①⼩血栓はSPECT-CTで、肺、脳などで見つかり、様々な症状の原因になっている。このような血栓は感染初期から見つかるので、後遺症はCOVID-19の⼀連の病変と言える。

 ②ウイルスの居残り。2021年にNIのグループは、COVID-19患者44⼈の解剖の結果、全員の脳、筋肉、腸、肺などの広い臓器にウイルスRNAが残存を確認した。無症状感染者でもウイルスRNAが検出され、後遺症と相関があった。

 ③手に負えない免疫システム。オーストリアの研究チームは、後遺症患者は自然免疫が異常に活性化して、感染後8カ⽉を経てもインターフェロンが高レベルにあると報告した。Yale⼤学のグループはマウスをCoV-2で感染させると、脳に炎症が生じたと報告した。

 Stanford⼤の消化器のチームは、COVID-19感染後4カ月以上経って肺炎が治癒した後でも、大便からウイルスが検出されたと報告。また、大腸内視鏡施行した感染者32⼈中21⼈の粘膜からウイルスRNAが検出され、その全員が後遺症患者であったが、検出されなかった14⼈には後遺症はなかった。

 COVID-19感染後の認知機能障害について、大脳皮質変化の研究がイギリスから報告された。51-81歳の785⼈について大脳皮質の各領域の厚さを測定した結果、特に高齢の感染者で、意思決定に重要な役割を果たす「眼窩前頭皮質」の厚さが感染後に1%以上減少していた。現在、後遺症に対する適切な治療法は無く、多くの方が後遺症に苦しんでいる。後遺症治療の研究開発が待たれる。

広告画像

関連記事

  1. Dr.竜の診察ノート Dr.竜の「診察ノー卜」第58話:全国民に新型コロナウイルス感染…
  2. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第68話:ワクチンは極めて有効!感染大爆…
  3. 感染拡大防止を市民に呼びかけ 大切な家族・友人を守るため、責任感持った行動を 感染拡大防止を市民に呼びかけ 大切な家族・友人を守るため、責任感…
  4. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第96話:千葉県一丸で子宮頸がんゼロを目…
  5. 50歳以上のがん検診 初めて胃カメラ導入 50歳以上のがん検診 初めて胃カメラ導入
  6. 病院、介護・保育を提供 東野複合施設完成 病院、介護・保育を提供 東野複合施設完成
  7. 竜氏が春の叙勲で「瑞宝小綬章」受章の栄誉 竜氏が春の叙勲で「瑞宝小綬章」受章の栄誉
  8. 三世代笑顔ウォーキング 旧江戸川周辺を歩く 三世代笑顔ウォーキング 旧江戸川周辺を歩く

新着記事

  1. 新浦安駅前広場を文化芸術の発信地に 華やかにイルミネーション点灯式
  2. 年頭のご挨拶 浦安市長 内田悦嗣「未来につながるまちづくりを進めていく」
  3. 年頭のご挨拶 浦安市議会議長 柳 毅一郎 「市民に開かれた市議会を目指して」
  4. オリンピック・パラリンピック等 育成選手指定証授与式
  5. 第2回浦安スポーツチャレンジ2025開催 多くの参加者が爽やかな汗を流す

田中屋海苔店
さくら保育園
浦安ふじみクリニック

江戸前佃煮 株式会社西金
JAFS関東~JAFSの東京事務所がスタート

PAGE TOP