7月3日・いつもの聖火とは違うみんなの思いをつなぎます
東京五輪の聖火リレーが7月3日、浦安市で行われる。地域医療を支える小林クリニック(入船)の小林澄子院長は聖火ランナーとしてトーチを掲げ、走る。
姪から「走ってみない」と勧められて応募したという。聖火ランナーに選ばれたときは、日本中に夢と希望があふれていた。
重い病気の患者も自らを奮い立たせたそうだ。
─東京五輪だ。浦安で聖火リレーを見よう。がんばろう。
だが コロナ禍で状況は一変する。
「いろんな思いがあります。言葉にすることは難しい」と静かに語る。
新型コロナウイルスが日本列島を襲い、収束を見通すことはできない。東京五輪をめぐっては様々な意見がある。
「やると決めたからには英知を集め、万全の対策をとって開催すべきです。コロナに負けちゃいけない」
人類は火を用いることで進化してきた。聖火には特別な力があるのではないか。コロナに立ち向かう人々を鼓舞することができるかもしれない。
「いつもの聖火とは違う。みんなの思いをつないで走ります」
◇
前回の東京五輪(1964年)が開催されたとき、小林さんは東京都渋谷区の小学生だった。感動したという。
当時、渋谷区の小学校陸上大会は国立競技場で開かれていた。
─東京五輪の舞台となった国立競技場に出たい。練習を重ね、走り幅跳びの選手として出場を果たす。走ることは好きだ。30 代でハーフマラソンに挑戦した。
祖父と父は医師。その姿を見て医師を志す。心の通った医療を掲げ、ペインクリニック科、消化器科、そして在宅ホスピスに取り組む。
好きな花はバラ。趣味はケーキ作り、日本舞踊、宝塚歌劇・歌舞伎鑑賞など多彩。大切にしている言葉は「清く正しく健やかに」