延ばそう!健康寿命・担おう!地域づくりを
高齢者の方、浦安市に恩返しを
ベイシニア浦安(浦安市老人クラブ連合会)は昭和39年に創立された。50クラブ、約3千350人の会員(令和2年4月1日現在)が活動している。会長の相原勇二さん(70)は昭和50年代、千葉県八千代市から浦安に引っ越してきた。
「海が見えて、川の流れる街で暮らしたかった。東京都内への通勤時間短縮も、大きな理由のひとつでした」と振り返る。
59歳のとき、地元の老人クラブ「海風の街これから会」の会長から「役員を引き受けてくれないか」と誘われ、快諾した。
「高齢者の方、そして浦安市に恩返ししたかった」と笑顔で語る。理由がある。
相原さんが30代のころ、故郷・鹿児島の年老いた母親を浦安に引き取った。
「鹿児島弁丸出しです。浦安には友人もなく、なんとなく寂しそうにしていました」
そんなとき、近所の年配の人たちが、やさしく声をかけてくれた。茶飲み友だちになって交流が始まった。あの親切さが忘れられない。また、浦安市は高齢者福祉事業が充実しており、助かったという。
その後、ベイシニア浦安の役員を務め、推薦を受けて会長に就任した。
基本理念は「延ばそう! 健康寿命 担おう! 地域づくりを」自立した、生きがいのある生活の実現を目指す。そして他世代、自治会等関係団体と連携し、安全・安心の住みよい地域づくりを目指す。
日中、会長として精力的に活動するだけでなく、広報委員会の委員として会報の編集やホームページの作成にも積極的に関わっている。パソコンは職場で習熟したという。
早めに就寝して午前零時に起床。ひとりパソコンに向かい、ベイシニア浦安の資料作りや広報委員会の仕事に取り組む。
昨年は新型コロナウイルスの影響で長期間、老人クラブ会館での活動自粛。多くのイベントも中止となった。昨秋、三番瀬の清掃活動や三世代ウオーキングを行うことができたが、今年1月、再び、緊急事態宣言が出された。
それでも相原さんはくじけない。
「一日も早く、新型コロナが収束することを願っています。高齢者の健康づくり、住みよい地域づくりを復活させたい」と明るい表情で語った。
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鹿児島県出身。中学校では柔道部。地元の相撲道場開きで、大相撲の力士を相手にぶつかり稽古をしたことがある。「微動だにしませんでした。岩のようでした」という。上京して大手健康保険組合(東京都千代田区)に就職した。浦安のイメージは、若くて輝いている街。好きな場所は東京湾を望む総合公園。好物はスイカと肉。晩酌はビールと酎ハイ。郷土の英雄、西郷隆盛を敬愛する。好きな言葉は「清濁併(あわ)せ吞む」