医療・健康

Dr.竜の「診察ノー卜」第61話: 若い女性よ!子宮頸がんワクチンを打とう 17歳未満接種でリスク低下9割 スエーデンでがん予防効果が証明

 子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが原因で感染するとされ、ウイルスに対するワクチンが開発され、このワクチン投与が世界標準となった。

竜 崇正
竜 崇正(りゅう・むねまさ)
浦安ふじみクリニック院長 =浦安市富士見2-18-9=

 日本では2013年4月に、世界に遅れて定期接種化された。だが注射による疼痛が取り上げられ、無効だと反対するグループもあり、6月に厚生省が積極的推奨を中止した。そのため、現在はワクチン接種を受ける人が稀で、子宮頸がんは年間1万1000人も発症、死亡者も2500人超に達した。特に20歳代から癌になるなど、若い母親世代には大問題だ。

 今年10月、ワクチンが発がんを予防できる、との研究結果を、スエーデンのカロリンスカ研究所が発表した。スエーデンでは2007年に、13才から17歳の女性に4つのパピローマウイルスに有効なワクチン接種を開始。通常は3回接種だが、今回の研究では、1回でも摂取した人を接種群として、非接種群との子宮頸がん発症率を比較した。対象は、接種群53万人、非接種群115万人である。

 結果は接種群で19人、非接種群で538人が子宮頸がんを発症。調査対象者の年齢でみると、10万人あたりの発症は、接種群47人、非接種群が94人と2倍の差があった。接種を17才未満と17才から30才で比較すると、17才未満接種では子宮頸がん発症リスクが88%低下、17才から30才接種では53%低下した。

 従来は、接種で前がん段階レベルの発症が減ることはわかっていた。だが、前段階病変が本当に癌になるのか、疑問視する意見も多かった。今回の研究で、ワクチン接種で子宮頸がんの発症リスク低下が証明された。特に17歳未満に接種すると、発がんリスクが9割低下するという画期的結果で、若い女性を子宮頸がんから救うためにも、積極的接種を推奨したい。今年10月に当院でサーバリックスを接種した方は、痛みを訴えなかったが、痛みの軽減を工夫している可能性もある。

広告画像

関連記事

  1. 浦安市が「広報の号外」を発行 新型コロナウイルスの流行で 浦安市が「広報の号外」を発行 新型コロナウイルスの流行で
  2. Dr.竜の診察ノート Dr.竜の「診察ノー卜」第59話: COVID-19 感染者は減…
  3. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」3月号・4月号再掲載
  4. 新型コロナウイルスの夜間接種実施 新型コロナウイルスの夜間接種実施
  5. がんと向き合う講演会と相談会  がんと向き合う講演会と相談会
  6. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第69話:mRNAワクチンは安全、一人残…
  7. 60歳からのパワーに期待 デイサービススタッフ養成 60歳からのパワーに期待 デイサービススタッフ養成
  8. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第87話:COVID-19感染は収まりつ…

新着記事

  1. 第27回 浦安市民まつりを開催 多彩な催しを楽しむ
  2. バルドラール浦安 市長に快挙報告 男子チーム:リーグ初優勝 女子チーム:選手権優勝
  3. 浦安を拠点とする日本ウクライナパートナーシップ協会 戦場から避難してきた人々が感謝の集い
  4. 浦安商工会議所 第66回 通常議員総会開催
  5. Uスタイルギャラリー第1話「浦田純代と共に学んだなかまたち展」

有限会社メディケアネット
田中屋海苔店

江戸前佃煮 株式会社西金
希望のハーモニー:瀬田敦子と若き才能が奏でる50年の感謝と未来への祈り ~能登とアジアの子どもたちのために~

PAGE TOP