新しい団員を募集中
仕事や家族に責任を持つ忙しい人こそ挑戦を
自分たちのまちは自分たちで守る―。
大川三敏団長(56)は、本業を持ちながら、消防・防災活動を担う浦安市消防団を率いる。
「人と人の助け合い、本当に重要です。活発で、メリハリのある活動を続けている。千葉県で屈指の消防団です」と、笑顔で語る。
昨年春、全国の消防団の中で、特に優れた活動をした団体に授与される最高栄誉である「特別表彰まとい」を受章。浦安市役所を訪れ、内田悦嗣市長に報告した。
「長年にわたる、過去から現在に至る消防団の活動が評価された。光栄であり、うれしい」
まといはずっしり重く、責任と活動の重みを実感したという。
消防団は日夜、火災現場などに出動。消防職員とともに浦安の安全と安心を守る。東日本大震災で、浦安市は液状化による深刻な被害を受けた。消防団は率先して家屋周辺や道路にあふれた土砂の排出を行い、給水活動などに取り組んだ。
また、千葉県消防操法大会で最優秀賞に輝いた。全国女性消防操法大会では優秀賞を受賞。少年消防クラブ交流会(全国大会)合同訓練では優勝を果たしている。
大川団長は浦安市出身。25歳で消防団に入った。深夜や未明でも、火災が発生すると、消防団詰め所に駆け付け、現場に走った。
「現場はバタバタして、緊張感がみなぎっている。てきぱきと活動して火を消すことが第一です」
副団長を経て、平成30年、団長に就任した。浦安市消防団には3個分団があるが、これまで元町地域に配置されていた。昨年、分団を新町地域にも配置、バランスよく市内全域をカバーできる体制を構築した。
新型コロナウイルスの影響を受けたが、6月から団員たちは実戦的な訓練を再開。少年消防団も7月から、今年度の定期訓練を開始した。
課題は消防団員の確保だ。
「新しい団員を募集している。仕事や家庭に責任を持つ忙しい人こそ、やってもらいたい」
浦安市に本社を置く大川水産の社長。世界に誇る日本の伝統食、干物を食卓に届ける。地元・サッカークラブ「ブリオベッカ浦安」を応援する。好物は寿司。池波正太郎や藤沢周平の時代小説を愛読。大切なものは「仲間!」。