コロナウイルス感染症では、3月2日現在、中国を中心に世界で8万8千人弱が感染、死者が3031人となり、致死率は2%とWHOは報告した。日本でも274人が感染し、6人が死亡した。特にクルーズ船乗客乗員3711人中705人が感染していることは異常で、政府の水際対策は失敗したといえる。昨年12月31日、武漢にSARS様の肺炎が発生。原因は野生動物を食べたこととされ、野生動物を売る市場を閉鎖。1月6日に厚生省から注意喚起の通達が出されたが、日本への入国を制限する指定感染症の指定はなかった。
この間、武漢からの観光客は1月8日からと12日の2陣が、バスで奈良などを観光した。1月16日、武漢の観光客を乗せたバスの運転手が感染、バスガイドの感染も報告され、この時点で日本にコロナウイルスが入り込んだと考えられる。
この頃、中国では多数が感染、死者も出たため、武漢を閉鎖。1月28日に新型コロナウイルス感染症を指定感染症に指定、2月7日に発効した。だが、中国で死者が100人を超えたため、WHOは非常事態を宣言した。
政府は武漢にいた日本人の帰国希望者をチャーター機で帰国させることとし、1月29 日第一陣が帰国。帰国者700余名中、感染13名(1・8%)で、1月8日武漢からの入国規制まで、日本での感染者が少なかったため、ウイルスの感染力は強くないと考えられる。最近の日本国内の市中感染の増加は、クルーズ船内感染者のケアのため、船に入った方達が関連している可能性が高い。
2月27日、政府は全国の小中高の休校方針を打ち出した。コロナウイルス感染は主に飛沫感染で、ウイルスは、WHOによれば空気中に排出されても4―5時間で死滅する。今後は混雑した密閉空間を避け、アルコール消毒や石鹸による手洗い、うがいを励行すれば大流行は避けられる。恐れることなく慎重に対処していきたいものだ。 (文責 竜崇正)