浦安市高洲地区に整備の進むジャパンラグビー「NTTコム」チームのグラウンド名がまもなく決まる。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(東京、庄司哲也社長)が公募。4月の完成を機にクラブハウスを含め、ホームタウンを市川市から浦安に移す。練習施設が完成するのに伴い、浦安が来年開催のワールドカップ(W杯)のキャンプ地に急浮上してきた。
チーム、4月から練習へ 公募名称まもなく発表
ラグビーチームの正式名称は「NTTコミュニケーションズシャイニングアークス」。チーム名が長いことから、通称「NTTコム」と略され、表記されることが多い。
昨年末、市川市二俣の活動拠点が新浦安に移転することが正式に決まり、サポーターや市民を対象に、グラウンド名を募集した。応募数は約400点にのぼり、その中から親しみやすいチーム名に絞って命名作業を急いでいる。
ホームグラウンドの広さは約3万8000m2。現在、ここに公式戦と同規模の天然芝のグラウンドを2面、雨天でもトレーニングのできる2階建てのクラブハウス(3500m2)、ナイター設備を4月の完成を目指して整備している。
ジャパンラグビーのシーズンインは例年8月。完成次第、新グラウンドでの練習が始まる。
ホームタウンの移転について、NTTコムでは「トップリーグの優勝を目指すチームの活動拠点とする一方で、サポーターと地域の交流の場としたい」と話しており、クラブハウスの屋上を観覧スペースとして市民に開放することを一例に挙げている。
一方、グラウンドの完成にめどが立ったことで、一度は消えかけていたラグビーW杯のキャンプ地誘致が現実味を帯びてきた。
NTTコムは、名称募集にあたり、ホームタウンの移転に伴う社会貢献の一つとして、「市民スポーツへの施設提供、ラグビーW杯、2020年の東京オリンピックなど世界的なスポーツイベント開催への寄与」を強く打ち出している。
最新鋭の施設 誘致の目玉に
日本ラグビーフットボール協会では、すでに来年9月開催のW杯開幕戦を含め試合会場や日程を発表しているが、参加20チームのキャンプ地は、全国の自治体から候補地を募集。これに37都道府県の90自治体が誘致希望の名乗りを上げたが、「多くの候補地がホテルや練習場など、W杯開催の水準に満たない」と、昨年夏発表の予定を見送っている。
協会ではキャンプ地の候補地発表はせず、各国チームに主な予定地のリストを提示。独自に誘致先を決めてもらい、届けを待って発表することに予定を変更した。
浦安市内に完成する新グラウンドは、都心に近く、どこの会場へ行くにも便利。加えて市内にはホテルが多く、協会の求める条件に最も合致している自治体。キャンプ地の目玉的存在に名乗り出たといっても過言ではなさそうだ。