私たちが暮らす浦安を歩いてみよう。小さな発見があるかもしれない。今回は「大三角線を行く」。浦安を貫く幹線道路周辺を巡った。
イチョウ並木が続く木陰が初夏の陽光を和らげる
市川と浦安の市境(北栄)。ここが大三角線の起点だ。不思議な名前である。どのような由来があるのか。疑問はさておき、歩き始めよう。
イチョウ並木が続く。木陰が初夏の陽光を和らげる。交差点にベアーズキッチン。かき氷の名店だ。
◇神社の大イチョウ
猫実に入った。右手に豊受神社。参拝していこう。境内にイチョウの大木。高さ14メートル。枝が伸び、空をおおう。見事だ。
境川が流れる。浦安が漁師町だったころ、多くの舟が係留されていたが、今は姿を消した。黒いウが一羽。
昼時。「花茶8306」に入った。店内に花と観葉植物。静かな音楽が流れる。デミオムライスを注文。おいしい。食後に香り高いコーヒーをいただく。
大三角線からしおかぜ緑道に入る。白いアジサイの花。美しい。緑道は富士見、堀江を通り、境川まで整備されている。市民が愛する散歩道だ。
◇雄大な旧江戸川
再び、大三角線へ。坂道を登る。一気に視界が広がる。旧江戸川だ。雄大な流れ。白いボートが一隻、軽快に川面を走る。川岸に釣り人がいる。声をかけた。
―なにが釣れるんですか。
「スズキやクロダイ。私は初心者で、まだ、釣ったこと、ないんですが(笑)」
◇大三角公園
舞浜の静かな住宅地を歩く。桜並木。春には見事な桜が咲く。 緑豊かな公園が見えてきた。名称はなんと「大三角公園」。木陰に「大三角跡」の表示板。由来が記してある。
昔、この辺りに旧江戸川の土砂が堆積して広大な洲ができた。その形状から「大三角」と呼ばれていた。ヨシが茂り、野鳥が羽を休めていたという。昭和40年代から埋め立てられ、住宅地などが整備されたそうだ。
なるほど。
よく歩いた。ほどよく疲れた。ここをゴールとしよう。木陰のベンチに座る。冷たいお茶を飲む。涼しい風が吹く。
(塩塚 保)