防犯・安全・法律

弁護士 京介 「家庭の法学」(82) 性格の不一致で離婚はできるのか

 こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回のテーマは「性格の不一致で離婚はできるのか」です。 「性格の不一致」は日常生活のさまざまな場面で起こる些細なすれ違いの積み重ねです。日本における離婚理由No.1と言われています。

矢野京介
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 結論から申し上げますと、性格の不一致を理由に離婚することは可能ですが、簡単ではありません。夫婦双方が離婚を望んでいるのであれば問題はないのですが、夫婦のどちらか一方が離婚を拒んでいるケースで、協議でも調停でも離婚が纏まらないとなると、離婚訴訟を起こし裁判所に離婚を認めてもらうことになります。

 双方が抱えている不満を改善する努力を一切せず、単にこれを性格の不一致だと決めつけている場合は、離婚訴訟を提起しても裁判所は「婚姻を継続しがたい重大な事由」とは認めてくれません。「性格の不一致」を理由に裁判で離婚の可否を争う場合、夫婦関係の破綻を証明する「証拠」を提示する必要があります。

 証拠として活用できるのは、喧嘩の内容を書き留めたメモ、喧嘩の音声を録音したレコーダー、喧嘩でできた傷跡の写真、診断書、言い争っているLINEやメールのやり取り、暴言や暴力を受けてから離婚を決意するまでの経緯を詳細に記した日記などが考えられます。

 これらの証拠が用意できそうにない場合には、長期間にわたり別居していることを証明していく方法もあります。夫婦には同居の義務がありますから、離婚を前提とした別居が長期化するほど、婚姻関係が破綻していて、回復の見込みもないと裁判所に認められる可能性があるのです。「長期間」の別居とは、夫婦が抱える事情によって異なりますが、大体3~5年程度が一つの目安と言えます。

 性格の不一致で離婚を検討されている方は、一度専門家に相談されることをお勧めいたします。

葛西臨海ドリーム法律事務所

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