浦安市と東京芸術大学は11月20日、「浦安市アートプロジェクト」ワークショップを開催した。ポンプ場から未来を創造してみようーとして、市民らが参加して境川のポンプ場を新しい姿に変容させた。
◇浦安で実践
ワークショップは午前9時から、中央公民館で始まった。講師を務める東京芸術大学の日比野克彦学長が「街の中、生活の中にアートの楽しさを広めていこう。気持ちを動かすのがアート。浦安で実践していこう」と呼び掛けた。
続いて浦安市の担当者が、地面の低い地域ではポンプ場などを使って雨水を排水している現状を説明。「ポンプ場は街を守ってきた大切な設備」と強調した。
参加者は境川沿いの新橋横ポンプ場へ移動。現地調査をして中央公民館に戻った。チームごとに水をテーマにした複数の絵の中から、ひとつの絵を選び、12分割。それぞれが担当する部分を決める。再び、ポンプ場に行って壁に白いチョークで絵を描いた。
通りかかった多くの市民が「何をしているの」と足を止め、作業を見守っていた。
30代の女性は「私は美術大学を卒業。アートに関心があるので参加しました」と笑顔で語る。小学1年生の女の子は「壁に絵を描いて楽しかった」と喜んでいた。
チョークで壁に描いた絵は雨で消えてしまう可能性があるが、市の担当者は「形に残すことが目的ではない。市民がポンプ場に関心を持ってもらえたら」と話していた。
◇市民と協働
今年度から浦安市と東京芸術大学が連携した「浦安アートプロジェクト」がスタートした。市民と協働し、アートによって新たな価値の創出や街の魅力向上を目指す。また、地域の課題解決のきっかけ作りを行う事業だ。9月3日に多くの市民が参加してキックオフイベントが開催された。来年度から多彩な企画が展開されそうだ。