こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回は、「養育費保証サービス」についてお話いたします。
2020年7月17日、日本の子どもの貧困率は13.5%であると厚生労働省が公表しました。17歳以下の子供の7人に一人、ひとり親世帯ではおよそ2人に1人と高い割合の子どもや家族が困窮状態にあるのです。ひとり親世帯の貧困の原因として、養育費を十分に受け取れていないことが問題となっており、養育費の不払いに悩むひとり親を支援したいと考えた民間企業が立ち上げたのが、「養育費保証サービス」です。令和2年6月にはZOZO創業者の前澤氏が事業参入したことでも話題になりました。
養育費保証サービスの仕組みを簡単に説明しますと、養育費の支払いが滞った場合に保証会社が支払人に代わって養育費を立て替え払いし、その立替金については保証会社が支払人へ督促し、回収してくれるサービスになります。養育費の不払いを防いでくれる素晴らしいサービスですが、利用するにあたってはいくつか注意点があります。
まず、養育費保証サービスは民間のサービスに過ぎないので、その利用を、養育費を支払う側に強制することはできません。利用にあたっては手数料等の負担も発生しますから、養育費を受け取る側が希望していても、相手方がそれを拒否する可能性もあるでしょう。また、このサービスを利用する際には、支払人が保証会社による審査を受けなければなりません。支払人の収入や家計状況、勤務先などによっては、審査に通らない場合もあります。
離婚における養育費や養育費の不払い等でお悩みの方は一人で悩まず、一度専門家に相談されることをお勧めいたします。