日本では千葉県が発祥の地
パラリンピック目指す選手とボランティア
「ボッチャと聞いてピンと来る人はまだ少ない競技ですが、ふだん主に、車いすを使って生活している人の競技者向けのスポーツ。今、世界45か国以上で行われ、国内では関東、関西、北海道を中心に普及してきましたが、実は日本では千葉県が発祥の地なのです」
イギリスで開かれた1984年の第7回パラリンピック大会からの公式種目。
日本では1996年の第1回千葉県大会が始まり。浦安の協会はその翌年に設立され、日本ボッチャ協会発足より一足早い歴史を持っている。
「3回目の県大会が浦安の総合体育館で開かれ、浦安中央ライオンズクラブがバックアップしようと関わったのがボッチャとの縁。初代の会長、飯塚芳和さんが9年前に亡くなり、中継ぎのつもりで引き受けたのですが、障害を持つ人たちの笑顔に支えられ、今日を迎えています」
県内のボッチャ団体は、11団体。毎年、協力し合って県大会を運営しているが、今年20回目を迎えた県大会を含め、9回は浦安の総合体育館が会場だ。
中台会長(69)の尽力で、平成23年からはライオンズクラブとして浦安大会を独自開催。クラブ員がルールを勉強して全コートの審判を務めるなど、クラブのメーン事業として取り組んでいる。
競技者は障害によって、BC1~BC4の4ランクに振り分けられ、個人戦のほかに、ペアやチーム戦がある。
「ボッチャは自力でボールを投げられないほど重度の障害があっても、足や口を使って競技に参加できます。介助者に合図を送り、ランプというスロープのついた補助具を使って、ボールをコートに転がす。介助者は口をきくことやゲーム中、コートを見たりしてはいけないといった厳しいルールもあり、結構奥の深い競技です」
木工所(北栄)を営む中台さんならではの手作りランプ。全国で100人を超える競技者がその好意で愛用しているという。
毎月第2土曜日午後、当代島公民館の体育館で練習をしている。現在の会員は47人。「このうち10人はボランティア。コートづくりや審判役などの裏方。我々はみんなが楽しんでくれればいいのです」。
メンバーには楽しみな選手が多い。現在、大学生の大濱理沙さん。中学3年のときにジャパンカップに出場し、オープン競技ながら車いすの部で優勝した。BC1の蛯沢文子さんは2015年度の千葉県の強化選手。
2人とも元気そのもので、「パラリンピックに出たーい」と声を弾ませた。
会員を随時募集中。(問)中台会長 でんわ:090・2761・9882。