「力仕事で危険な作業なんです。年々、自分も含めてメンバーが年齢を重ねてきて、つくづく “若い人” の力が必要と実感しています」
未来を担う子供たちの健やかな成長を祈って始まった泳がせる会の鯉のぼりの飾り付け。市民らの協力を得て今年で24回目を迎えた。浦安市の一級河川・境川の今川橋上流、交通公園わきの川面。
大小、色とりどりの鯉のぼりが薫風に乗って気持ちよさそうに4月30日から5月5日まで6日間遊泳した。公園で子供と遊んでいた母親は「こんなに沢山の鯉のぼりが見られて感激です」というように、イベントはすっかり市民に定着した。
会長として泳がせる会をリードしているのが和歌山県出身の長崎さん。
サラリーマンとして海外や国内を異動。昭和55年ごろ、浦安に転居した。泳がせる会に携わるようになったのは、会社勤めをリタイア後の10回目ごろから。
そのきっかけは、昭和63年浦安市役所に誕生した女性課長の活動に共感したからだ。
そのひとり、英語が堪能な辻村聖子さんは2代目会長を務めながら国際交流に注力。姉妹都市になったアメリカ・オーランド市(ディズニーランドの本部がある)に「友好の翼」を派遣し、両市民の草の根レベルの交流のもとを作った。長崎さんも実施部長として4~5回、オーランド市を訪問するなどしてサポートしてきたという。
泳がせる会では黒衣でサポート役に徹していたが、辻村さんが病気で亡くなったため「やむなく引き受けました。現役時代から “火中の栗” を拾うタイプでした」。
泳がせる会活動の認知度があがり「子供の成長で押入れにしまってあった鯉のぼりを寄付したい」という申し出が今年も25件あり、それらも含めて約270匹が群舞した。この姿をみると、「疲れも吹き飛ぶが約15人の会員の大半は65歳以上。若いパワーの必要性を年々感じているが、思うようにならない」のが悩みだ。
◇
「境川にこいのぼりを泳がせる会」は、会員を募集している。【問】長崎会長 でんわ047・353・3163。