日本のCOVID19感染第7波は順調に下降している。続く第8波になり得る変異ウイルスがあるか、Sanger研究所(イングランド)、CDC(アメリカ)のゲノムデータを調べた。
9月17日現在のCDCデータではBA.5が85%、次いでBA.4が少しずつ増えてきて10%だ。BA2.75(ケンタウロス)は1.3%に過ぎない。Sanger研究所のゲノム解析データ。BA.5が82%、BA.4が17%。両国ともピークの高さは低く、収束に向かっている。しかし、Our World in Dataは、国際的なゲノムデータベースから、9月17日現在、日本のBA.2.75(ケンタウロス)の頻度は1.6%だ。以上から、BA.5の後には、感染力の強いオミクロン変異株は世界中に無いようだ。このまま感染の終息が期待できる結果だ。
問題は国民に接種が始まったオミクロン株対応の新しいワクチンの効果だ。2020年になってCOVID19感染はオミクロンの時代となった。オミクロンの原株とその変異株、特にBA.4、BA.5により、これまでになく多くの人々が感染した。そこで、BA.4、BA.5にも有効な新しいワクチンの必要性が高まった。ファイザー社とモデルナ社は、それぞれオミクロン対応ワクチンを開発し、臨床試験が終了。8月31日にFDAの緊急使用は、ファイザーが12歳以上、モデルナが18歳以上で認められた。
NEJ Mによると、モデルナワクチンの安全性と有効性は以下の通りだ。
注射局所と全身症状は、従来のワクチンと比べ、差がなかった。モデルナワクチンの3回接種者に、従来のワクチンと新しいワクチン群(それぞれ377人、437人)、29日後の血清の中和抗体を測定した。両者のワクチンで、共に抗体化は上昇したが、新しいワクチングループの方が、従来ワクチングループよりも中和抗体値が高かった。また以前感染している人の方が感染していない人より抗体価が高かった。
以上の結果から、接種券が届いたら、特に持病のある方や高齢者は、直ちに新しいオミクロンワクチンを接種すべきだ。