こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回は、「生活費を渡してくれない時の対処法」についてお話いたします。
夫婦はお互いに、相手に自分と同じレベルの生活をさせる「生活保持義務」がありますので、配偶者に生活費を渡す義務があります。夫が一家の大黒柱で妻が専業主婦のようなケースで、妻に生活費が払われないと、子どもの生活も脅かされてしまいます。
なぜ夫が生活費を払わないのか、考えられる理由として (1)浮気をしていて浮気相手を優先している (2)自分が稼いだお金は自分のために使いたいと考えている (3)ギャンブル等で借金がある (4)実は仕事を辞めていて収入がないー等があります。
ただ夫が一家の大黒柱で収入があるにも関わらず、身勝手な理由で生活費を払わない場合、法律上の離婚原因になりますし、「慰謝料」も請求できる可能性があります。
しかし、お子様がいる場合、子どものためにできるだけ離婚は避けたいと考える方も多いでしょう。そこで、離婚を決意する前に、まず支払い義務者である夫に生活費を払うよう要求し、話し合いをしてみてください。
全く話し合いに応じてくれない場合、家庭裁判所に「婚姻費用分担調停」を申し立てると、調停委員の方を介して支払金額や支払い方法を決めることができます。調停での話し合いが成立しなくても「審判」によって裁判所が生活費の支払い命令を出してくれるので、支払ってもらえるケースがほとんどです。また婚姻費用分担請求は同居中でも別居中でも関係なく請求することができます。
生活費を払ってもらえない「経済DV」でお悩みの方は、一人で悩まず、専門家に相談されることをお勧めいたします。