市民の台所であり、観光客にも親しまれた浦安魚市場が、半世紀の歴史に幕をおろす―。9月定例市議会で市側は、浦安魚市場が「施設の老朽化、耐震不足、出店者の高齢化や後継者難などから営業の終了と敷地を8月末に入札で売却し、優先事業者と売買契約締結の準備中」であることを明らかにした。
19日の一般質問で水野実議員が元町地区の整備・開発を質したのに答えた。
関係者によると、魚市場協同組合員は23人。魚市場の敷地は約3300m2。3分の2が市場、3分の1がURの所有。市場の上部にある賃貸住宅の入居者は6月に退去しているという。
浦安魚市場協同組合(長野敦彦理事長)はホームページなどによると、現在、マグロなど鮮魚、エビ、貝類、塩干物、のり・お茶、野菜、和牛専門店など34店が営業。民設民営で朝4時から正午まで営業。
主に東京・築地から仕入れ、行商や料飲業者、屋形船業者が利用。一般市民や観光客も利用でき、魚の切り身一切れからも購入できる。佃煮の量り売りや焼きハマグリ、ウナギの蒲焼なども人気。スーパーと違い、プロによる対面販売が特長。しかし、行商関係が激減しているという。
歴史は昭和初期、数店で堀江に市を開いたのが始まり。その後、浦安橋近くに移転、28年に組合を結成し市場を開く。46年3月、現在の北栄に「浦安魚市場総合食品センター」として移転。