一昨年暮れの新潟県糸魚川市の大火を教訓に、小規模飲食店への防火策が課題になっている。こうしたなか、浦安市消防本部は第1回定例議会で150m2以下の小規模飲食店に対し、消火器設置を新年度から “要望” していくことを明らかにした。秋葉要議員(公明)への答弁。
糸魚川市の大火は一昨年12月22日午前10時20分ごろ、消火器の設置義務のない中華料理店の大型コンロの消し忘れから出火。南からの強風にあおられ中心市街地約4ヘクタールが焼失、全焼120棟など147棟が焼損した。
浦安市でも猫実・堀江の木造家屋密集地区約8ヘクタールは県内で唯一、国から危険区域に公表され、防火や避難経路、道路拡幅など防災対策が焦眉の急になっている。
このため、消防本部は消防法に基づき立ち入り調査した結果、29年度末で消火器の設置義務がある150m2以上の飲食店は34軒と確認。問題は同法で設置義務がない150m2以下の小規模飲食店の把握。飲食店の認可権限のある市川保健所に協力を求めた結果、浦安市内の猫実3、4、5丁目、堀江2、3、4丁目で29軒の小規模飲食店を確認した。
国では糸魚川市の大火をきっかけに、消防法施行令改正の動きを強めており、平成31年10月1日付で面積に関係なく小規模飲食店にも消火器の設置を義務づける見通しになっているという。
これを受けて消防本部は、消防法施行令改正を先取りし4月から火災発生時の初期消火に役立つ消火器の設置を事業者に “要望” していくことにしている。
浦安では明治13年から15年にかけ大火が頻発。これを教訓に昭和25年ごろから11月15日~ 4月15日まで、夜間路上禁煙(タバコのポイ捨て禁止)運動などが行われている。