市教育功労団体で表彰
若い世代に弓道の魅力を 中学生に門戸を開きたい
「寝耳に水。浦安市弓道連盟の会員90人の代表として、表彰されるのは光栄。教育委員会が弓道精神を理解していただいて、将来的には中学校での部活でのコラボレーションを期待されているのかな…」
市教委から27年度教育功労団体として11月12日に表彰される市弓道連盟・中村義行会長(64)は総合体育館内の弓道場で、控えめに喜びを表した。
くしくも今年は連盟創立20周年の区切りの年。「人間で言えば成人。来年からは(アーチェリー場が新設されるため)専用に使え、弓道環境もよくなるので(市内にない)中学生コースも作れれば作りたい」と、底辺拡大に意欲をみせる。
というのも、10年前から県立浦安高の弓道部で週1〜2回指導を手伝ってきたほか、春秋の市民弓道大会でも運営に携わってきたからだ。ここ数年、中学校にスポーツ武道(柔道・剣道・弓道・なぎなた)を導入する動きが目立ってきた。県内では松戸市が弓道に注力。全国的には愛知や鹿児島県では小学校から弓道人口が多いと指摘する。
弓と矢を使う弓道は武器だけに、場所と道具とともに指導者が大切。”失われた日本人の精神” を取り戻すためにも、「袴に胴衣を付け、凛々しさが求められる武道。若い世代に弓道を理解してもらうために中学生に門戸を開きたい」と強調する。
また、弓道の魅力をこう力説する。
「すべてに通じる3C(コンセントレーション=集中力、コントロール=平常心、コンフィデンス=自信)が養える。さらに、足の運びを表す『左進右退』が示すように道具着脱の際、常に上座に意識を置くこと。国旗や神棚、的にお尻を向けてはダメ。きれいな曲線と所作。技術と目標。自分との闘い、自己責任」
つまり、教育的にも精神的にも日本人を取り戻すのにもってこいのスポーツというわけだ。
福岡県出身の中村さん、旅行会社で海外を飛び回り、JICA(国際協力機構)で長らく国際緊急援助隊の海外派遣に携わった国際人。浦安市へは町時代の35年前に移住。45歳のとき、市の弓道教室新人コースに “合格” して高校時代以来、久しぶりに弓道を再開。それ以後、連盟とともに歩んできた。
弓道5段。昨年7月の世界大会(パリ)に出場。1200人が参加した明治神宮奉納大会(平成18年)で優勝。
「弓道が一番楽しい」という中村さん。現役の妻のため、週5日 “主夫業” に勤しむ現代のもののふでもある。料理に書道、健康マージャンと趣味も多彩。
◇
浦安市弓道連盟HP urayasukyudo.com