浦安市立入船中の教室に「植物工場」が誕生する。 “土のない畑” で、市教委は9月の設立をメドに準備を進めている。子供たちはここで人工的に植物を栽培。その成長、収穫などさまざまなことを学ぶ。ひと足早く浦安商工会議所では、1階入口にミニ水耕栽培でサニーレタスを栽培。順調に育っていて見学に足を止める人もいる。
人工的に栽培、成長、収穫などを学ぶ
市教委によると、植物工場の目的は理科、環境教育、食育などの学校教育を充実させるためで、理科教育推進校の入船中を指定した。
植物工場は1教室の約4分の1のスペースを使う。ここに5メートル×約1.5メートルのショーケース1基、ワゴン型のユニット温室を複数設置する。ここで、いろいろな野菜を中心に植物を育てていく。スタートは2学期からの予定。
植物工場では学ぶことも多い。浦安には農地も農家もなく、子供たちは野菜などの生育を観察する機会も少ない。
植物工場では、植物の生育を通して幅広い学習が期待できる。植物の生育に必要な環境を人工的に整えることができ、季節、天候に左右されないで生産が可能。
生育は野菜が中心になる。種を播き、発芽にはどのような温度調節が必要か。成長にはどのような環境がいいのか、植物で違いがあるのか、収穫までにはどのくらいの日数がかかるのか。植物によって比較実験もできる。
子供たちは生育の過程で、成長の楽しみ、収穫の喜びを身をもって体験できる。農地のない浦安っ子には貴重な生きた学習になる。
植物工場は小中校連携の一貫教育として行われる。入船中では、この準備のため野菜づくりの実験などを始めた。
植物工場を学校教育に活用するのは浦安市では初めて。市教育政策課の小林桂子課長補佐は「多様な学習に展開できる可能性があり、魅力ある学校づくりにもつながります。地域の文化祭でも活用していただけるといいですね」という。
ひと足早く商工会議所に水耕セット
浦安商工会議所では1階のスペースに、水耕栽培のセットを設置。サニーレタスを育てている。
スリムタイプの水耕栽培セットで “ミニ植物工場”。45センチx50センチ、高さ1.73メートルのセットで、3段の “畑” が収納されている。
今年春から、ここに50株のレタスを栽培中。スポンジの床に種を播き、人工的に水やり、栄養剤(肥料)を与えたりしている。ほとんどの作業が電気で、発光ダイオード(LED)を光源にしているので、電気料金は高くない。種播きから収穫まで約2週間で、試食も繰り返している。味も悪くないという。
中心になって、この手入れをしている同商議所の生井俊一事務局長は「成長が早く毎日、見るのが楽しみです。一回にスーパーの大きな袋いっぱいぐらい収穫できます。職員で分けて食べています。おいしいですよ」と話している。