店主の内田信法(のぶのり)さんが妻と二人で営む「蕎麦うらやす信や」。リピーターの多い、蕎麦の名店だ。内田さんは、蕎麦一筋で約30年。使う分だけ石臼を回して粉を挽き、毎日蕎麦を打つ。
「蕎麦の実を細かく挽くと、つるり、とした食感になります。夏はそば粉を十割にしていますが、冬場は、少しだけつなぎを入れます。温かい蕎麦にしても、のびにくくなるんです」と内田さん。目指す風味になるよう、日々、工夫を続けている。
同店の人気メニュー「本日のランチセット」(1200円)は、炊き込みごはん(お代わり一杯可)と小鉢、天ぷらの盛合せに、冷たいざるそばか温かいかけそばが選べる。蕎麦は雑味がなく、かめばかむほど、ほんのりとした甘みと香りが感じられる逸品だ。天ぷらには宮古島の雪塩をかけるのがおすすめ。カリっとした食感が楽しめ、素材そのもののおいしさを味わうことができた。
6席のカウンターと小上がりのこぢんまりとした店内は、アコースティックな音楽が流れ、シックな雰囲気だ。内田さんが筆で描くお品書きも、なんとも味わい深い。
2012年秋の開店当初は経営が大変だったという。数年経ち、軌道にのってきた頃にコロナ禍となった。そんな時に支えてくれたのが、常連の方たちだった。
「ざる、かけ、ランチセットの3メニューから始めたお店ですが、『カレー蕎麦とか鴨南蛮もいいんじゃない』などと、アドバイスをいただいた。焼酎もお客様のセレクトなんです。みんなで作り上げたお店です。恩返しできれば、という思いでいっぱいです」と内田さんは穏やかにほほ笑んだ。
浦安市猫実5ノ12ノ8、DMビル1F
東西線浦安駅より徒歩7分
11時30分~14時30分(LO14時)、18時~21時(LO20時30分)
月曜休
◆問い合わせ=047・321・4737