昨年4月に開館した「浦安音楽ホール」の今後の在り方について、浦安市の内田悦嗣市長は4月20日、「検証委員会」の検証結果を踏まえ、「廃止でなく、ポテンシャルを生かしながら支出減、収入増を目指し様々に活用し継続する」方針を明らかにした。
同ホールはJR新浦安駅南口、入船1丁目の8階建て商業ビルの4~8階(約4000m2)を市が賃借。整備費は24億7千万円。6階の音楽専用ホールを中心に吹き抜けで、303席(うち車イス3席)の固定席がある。東京・銀座の音楽専門ホール、王子ホールやヤマハホールと同レベルの施設を目標とした。
昨年3月就任した内田市長は、(1)音楽ホールは東日本大震災からの復旧・復興のシンボルと位置づけた前市長のトップダウンで進められた (2)賃貸期間が30年間と長期 (3)賃借料・運営費などに年間4億円―などから「将来、市民の大きな負担になるのでは」と懸念を示した。
このため、同年7月に浦安音楽ホール検証委員会(委員長・石井一郎副市長)を庁内に設置。委員会は開館までの経緯や賃借料の決定、開館後の利用状況、弁護士や大学教授など有識者への聞き取りなどを実施。今年3月下旬、「継続する場合と廃止した場合の費用を比較した結果、現施設を継続利用する選択が合理的」などとする報告書をまとめた。
ホール継続で市民の理解を
内田市長は「整備したばかりのホールを廃止すれば市民サービスの低下を招き、整備費用も無駄になり、契約に伴う違約金も発生する。ホールの継続で市民の理解をいただければ」とコメントしている。