浦安ふじみクリニックでは発熱者を電話で予約して、別室で診療している。昨年8月から10月は、毎月1名だったが、11月と12月は3名と微増し、1月は15日までの検査で14名中10名、陽性率71%という多さだ。このうち4名は症状があるのに入院できないでいる。まさに医療崩壊の状態だ。
これは感染が収束していない中でGoToを強行したことが原因との声もある。初回の非常事態宣言時に8割の行動削減を唱えた西浦教授はGoTo前後1か月で感染者が2倍に増えたことを、英文学術誌で発表した。
政府は1月8日、首都圏の東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県に対して2月7日までの非常事態宣言をした。その中核は、飲食店を中心とした時間短縮の要請だ。昨年暮れの分科会で、飲食店関連のクラスターが多いという結果からで、て家庭内感染や院内感染が感染拡大の原因とした。
しかし、飲食店などでは半年以上前から感染防御対策が取られており、感染爆発の原因とは考えにくい。分科会でも「感染経路のわからない感染の多くは飲食店感染と思われる」と説明しているが、この結論は唐突で科学的根拠を示すべきだ。
日本でも最近、海外渡航歴のない方のイギリス変異株の感染が報告されている。無症状感染者からの市中感染が感染爆発の原因と考えられる。いつまでもクラスターにこだわった対策をしていれば、感染力が5割強い変異株の感染爆発を引き起こすだろう。ニューヨークでは無料で10日ごとにPCR検査が行われており、日本もそのことにお金を費やすべきだ。
希望はワクチンであり、ファイザー社もモデルナ社もアストラゼネカ社も90%以上の効果が報告されている。変異株にも有効だ。副作用が危惧されるが、ファイザー社でアナフィラキシーが21件報告されていて、100万件あたり11・1の頻度だ。蜂に刺されたときに対応するエピペンなどの処置が有効である。基本は飛沫感染と接触感染対策であり、感染防御に努めよう。