地域のこどもたちが輪になって食事したり、遊んだり、勉強したりする場所を提供する活動が7月からスタートする。「スマイル♡こども食堂浦安」(高嶋賢一代表)。家で1人で食事をするこどもの問題などを解決しようと立ち上がり、実現に向けて駆けずり回った大人たちの願いがやっと実ることになった。
こども食堂の活動の対象はこどもたちだけではなく、地域の人たちが集う場としても活用してもらうこともねらいとしている。
こども食堂浦安が誕生するきっかけは―。
高嶋さんによると、「私も72歳」。浦安に住んで30年、定年を迎え、地元に貢献できることはないか―を探していた。昨年2月、知人のパーティーでこども食堂のことが話題になる。高嶋さん自身、知らなかったことで気になり、市役所に行って、こども食堂のことを聞いても「よくわからない」と雑誌のコピーを渡された。
社会福祉協議会や市川保健所に足を運ぶ。保健所はこども食堂のことは把握していて、その責任者になるには「食品衛生責任者養成講習会」を受けることが条件と教えられた。マル1日かけて講習を受け資格を取得した。
自分が住む団地の人や知人に声をかける。趣味のミウラ折り(折り紙)の仲間にも呼びかけ、18人の会員が集まった。男11人、女7人、40歳代から80 歳代まで、さまざまな経歴の人たち、男のまかないに参加した人もいる。
7月22日スタート
何度か顔を合わせる。計画もまとまってきた。
1人で食事をしなければならないこどもの手助けをしたい、こどもたちの役に立ちたい。そのためにはこどもが1人で安心して来られる場所を確保、無料か、低額で食事を提供する食堂を運営。開催するには調理設備があり、遊び、勉強することもできるスペースも必要。
場所の確保には苦労した。団地の自治会館、公民館に声をかける。集まる時間は3時間を予定していて、長かったり、調理室が使えなかったり、メンバーが手分けして探したが見つからない。時間は待ってくれない。2月、市から朗報が届いた。
今川記念館の一室が借りられることになった。2階ながら調理室もある。「ありがたかったですね。本当にうれしかった」(高嶋さん)。
市に自立促進事業として、補助金申請をしていたのも認められ、30年度には年間9万8170円が支給されることになった。
こども食堂は毎月1回第4日曜日の11時~14時(予定)に開く。場所、今川記念館。食事(主にカレーライス)、遊び(大人も仲間)、勉強(宿題を一緒に)、費用こども100円、中学生以上300円、定員20人。対象は富岡、弁天、今川に住むこども、シングルママ、大人、高齢者も歓迎とのこと。
会の趣旨に賛同してくれる人の入会を呼びかけている。年会費千円。
4月22日、今川記念館に会員が集まり、開催に向けて協議。1回目の開催は7月22日と決まった。
高嶋さんは「気をつけることはこどもの安全。そのためには開催時間は昼間にしました。こわいのは食中毒、手洗いなど衛生に気をつけます。自治会、老人クラブなどにも声をかけ交流を深め、活動を知ってもらいたい」と話す。
【問】高嶋代表(でんわ 080・5133・8076)。