市は2021(令和3)年度当初予算案を、9日開会の市議会に提案した。
一般会計は684億円で前年度比8.1%減だが、新型コロナの影響による固定資産税、法人市民税納付猶予分を補うために2020年度に政府から借り入れた猶予特例債の償還分を差し引くと647億3000万円で13%の減となる。特別会計などを含めた予算総額は954億9000万円で、前年度比7.1%の減になった。
3月21日投開票の市長選があるため、予算案は経常的経費を中心とした骨格予算。6月補正で上積みされる見通しだ。しかし、新型コロナの影響は大きく、歳入では市税が425億9000万円で、前年度とほぼ同額となっているものの、市税中最大の固定資産税(227億1000万円)のうち30億円は、納付が猶予されていた前年度分の納付を見込んだもので、自動的にこの分は特例債の償還に充てられる。法人市民税(26億2000万円)も同様に7億円が償還に充てられ、市税は実質389億円と大幅な減額になった。
歳出では施設や道路改修の多くが先送りになり、維持補修費は43.9%減の10億円になった。また、人件費削減のため、年度任用職員も相当数の採用を見送り、これらの職員が行っていた仕事は、残った職員で分担するという。
内田悦嗣市長は「事務経費の削減に努めたが、市民生活にかかわる道路液状化対策、特別支援学校誘致などは計上した。国・県の支出金、起債の有効活用をこれまで以上に考えた」としている。